篠田傳

篠田傳について

篠田傳（しのだ つたえ、1948年 - ）は、フルカラープラズマディスプレイ技術の創始者として知られる日本の工学者です。彼は東京都立大学の客員教授や富士通研究所のフェローを務める一方、現在は篠田プラズマ株式会社の会長兼社長としてもその手腕を発揮しています。また、広島大学の客員教授としても教育に貢献しています。彼の業績は世界中に影響を与えており、特にディスプレイ技術の進化に大きな寄与をしています。

経歴と初期の影響

篠田は山口県の田舎で生まれ、幼少期から活発な性格でした。彼の興味は大学に進むまでの間、研究者や医者になることを夢見て育ちました。特に高校時代は成績が良い方ではなかったものの、新設の広島大学電子工学科に入学した際にはその期待以上の成果を求められました。

大学時代、篠田はシリコンの研究を希望していましたが、師である内池平樹が行ったプラズマの実験を目にしたことがきっかけで、その研究へと進むこととなります。内池から「人と違うことをやれ！」との教えを受け、彼はプラズマをカラーテレビに応用しようと考え、富士通に入社します。

プラズマテレビの開発

しかし、篠田が配属された明石工場では赤字が続き、経営は厳しいものでした。それでも彼は「愛」という文字を浮かばせる試作品を作るなど、数々の実験に挑戦します。しかし、その後急性肝炎にかかり、療養を余儀なくされました。2年の入院を経て退院した後、ついに試作機を完成させ、1991年のエレクトロニクスショーでその成果を発表しますが、様々な不具合が出て、直ちに撤去されるという状況に直面します。

一方で、一年後には21型のプラズマテレビの完成に成功し、世界に向けてその技術を初めて披露しました。そして3年後には42型を開発し、プラズマディスプレイの大型化への道を切り開いていきました。この努力が彼を「ガリレオ・ガリレイ」と例えられるほどの技術者に成長させることとなります。

受賞歴と貢献

篠田の業績は数々の賞で評価されています。2002年には内閣総理大臣発明賞を受賞し、2003年にはKARL FERDINAND BRAUN PRIZE、2004年には紫綬褒章を受けました。また、国際電気標準会議からのIEC1906賞や、IEEE名誉会員賞も受賞しており、彼の影響力は国内外に広がっています。

メディアへの登場

篠田はその功績を広めるため、テレビ番組にも出演しています。例えば、2009年には『日経スペシャル ガイアの夜明け』に出演し、超薄型大画面プラズマ・ディスプレイの製品化までの道のりを紹介されています。このように、技術革新の最前線に立ちながらも、後進への教育にも力を注いでいます。

篠田傳は、技術の進化に大きな貢献をした一人の研究者として、私たちの生活に多大な影響を与え続けています。その情熱と挑戦の姿勢は、今後の技術革新の原動力となることでしょう。

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