篠田英朗

篠田英朗とは

篠田英朗（しのだ ひであき、1968年 - ）は、日本の国際政治学者および平和学者であり、東京外国語大学大学院総合国際学研究院で教授を務めています。専門分野は国際政治学、国際関係論、及び平和構築論で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス（LSE）からPh.D.の学位を取得しています。現職では、学部では国際社会学部を、大学院では総合国際学研究院の平和と紛争研究コースを担当。国際連合や他の機関の平和構築政策、国際社会理論に関する研究を行っています。

経歴

篠田は神奈川県に生まれ、法曹界に従事していた父の影響もあり、國際法や政治に対する関心を持ちました。神奈川県立多摩高等学校を卒業後、早稲田大学政治経済学部に進学し、大学院でも政治学を専攻しました。在学中には、カンボジアでの選挙監視団として国連によるPKOボランティアに参加した経験があります。1993年に修士課程を修了し、1998年にはLSEで国際関係学のPh.D.を取得しました。

その後、広島大学平和科学研究センターで助手、助教授、准教授としてキャリアを築き、2013年からは東京外国語大学での教授職に就きます。2001年にはケンブリッジ大学、2002年から2003年にはコロンビア大学の客員研究員としても活動。また、2017年には国際刑事裁判所（ICC）において客員専門家としての役割も果たしました。さらに、広島平和構築人材育成センター（HPC）の代表として、外務省の委託事業を17年間にわたり運営しました。

主張

篠田は憲法と国際法について独自の観点から考察しています。特に憲法第九条に関しては、自衛隊が戦力に該当しないことを主張し、国際法を遵守する重要性を強調しています。また、憲法学の中でも東大法学部系の憲法学者に対する批判を展開しており、具体的な人物に言及しながら思索を深めています。

彼の著書『ほんとうの憲法』（2017年）では、日本憲法学を「抵抗の憲法学」と捉え、その中で現れた様々な抵抗に対する批判を行っています。特に、戦後の日本における国際法との関わりや憲法の成り立ちについて鋭い見解を示しています。

2021年に発生したミャンマー国軍によるクーデターに対しては、日本政府の国軍寄りな立場を厳格に非難し、国際的な立場からの意見を積極的に発信しています。

受賞歴

篠田の研究活動は多くの賞に評価されており、2003年には大佛次郎論壇賞を受賞し、2012年にはサントリー学芸賞、2017年には読売・吉野作造賞も受けています。これらの受賞は、彼の研究が社会に与える影響の大きさを示しています。

著作

篠田は数多くの著書を執筆しており、主な著作には『集団的自衛権の思想史』や『平和構築入門』、また『日は丸とボランティア』などが含まれます。これらの作品を通じて、国際理解や平和活動、憲法についての考察を深めています。

篠田英朗は、日本国内外の法や国際関係における平和構築に関する重要な論者として、今後もその活動から目が離せません。

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