篩

篩：粒状物質の選別を可能にする道具

篩（ふるい）は、大きさやその他の物理的特性が異なる粒状物質を分離するための道具です。一般的には網状の構造をしており、粒状物質をふるいにかけることで、特定の粒径の物質を選別します。細かい網目のものを「ふるい」、粗い網目のものを「通し」と呼ぶ場合もありますが、現代では両者は混用されることが多く、明確な区別は困難です。

篩の仕組みはシンプルながらも効果的です。粒状物質を篩に入れ、振動や回転などの動作を加えることで、サイズの異なる粒子が網目を通過したり、残留したりします。これにより、目的とする粒径の物質を効率的に分離することが可能です。

篩の歴史と素材

篩は古くから世界各地で使用されてきた民具です。その歴史は古く、様々な素材が用いられてきました。日本では、竹、籐、アケビの蔓、馬毛、絹、綿など、身近な素材を用いて作られてきました。地域や時代によって、用いられる素材や製法は異なっていました。

現代においても、篩は幅広く活用されています。網状のものの他に、直径の揃った円い穴を多数あけたタイプのものも存在します。さらに、蓋付きのものや、相似形の受け皿を備えたものなど、用途に合わせた様々なデザインの篩が開発されています。近年では、電動式の篩も登場し、効率的な選別作業を可能にしています。

篩の種類と用途

篩は、その用途によって様々な種類に分類されます。主な種類としては以下のものがあります。

試験用篩: ISOやJISなどの国際規格に準拠した試験用篩は、地質調査などの精密な分析に用いられます。これらの篩は、網目の大きさが2の倍数で規格化されており（例：1/2mm、1mm、2mm、4mm）、正確な粒度分布の測定を可能にします。
園芸用篩: 園芸では、土壌の粒度調整に篩が用いられます。園芸用の篩は、土壌中の石や大きなゴミを取り除いたり、均一な粒度の土壌を作ったりするために使用されます。
* 調理用篩: 調理においては、粉類をふるうための粉ふるいが用いられます。粉ふるいは、ダマを取り除き、より滑らかな生地を作るために使用されます。

篩と似た道具

篩と似た道具として、ざるや籠があります。これらも竹を編んで作られることが多く、見た目が似ていることから混同されることもありますが、それぞれ用途が異なります。ざるは、水洗いなどに用いられ、籠は、物を運搬したり保管したりするために用いられます。

このように、篩は様々な分野で活用されている重要な道具です。そのシンプルな構造ながら、その機能は多岐に渡り、現代社会においてもなくてはならない存在となっています。

もう一度検索