米国ワイヤゲージ規格

米国ワイヤゲージ規格（AWG）

米国ワイヤゲージ規格（American Wire Gauge、略称AWG）は、主に北米で使用されている電線のサイズを示す規格です。この規格は、円形の断面を持つ固体、非鉄金属の導体を対象としており、UL規格によって定められています。

AWGの特徴

AWGの最も重要な特徴の一つは、番号が大きくなるほど電線の直径が小さくなるという点です。例えば、1番線（1G）は約7.35mmの直径を持ちますが、10番線は約2.59mmと、番号が増えるにつれて直径が小さくなります。これは、直感的には逆の感覚を持つかもしれませんが、AWGの特性として理解する必要があります。

また、AWGはピアスの太さを表す際にも使われることがあります。この場合、AWGはピアスの直径のみを規格の対象としています。

欧州・日本での規格

一方、ヨーロッパや日本では、電線のサイズを断面積（mm²）で示すのが一般的です。断面積であることを示す場合は、「SQ」や「sq」といった表記が数字の後ろに付けられることが多いです。国際電気標準会議（IEC）や日本工業規格（JIS）では、この断面積による表記が主流となっています。

規格の詳細

AWGの規格では、No.36の電線は直径が0.005インチ、No.0000の電線は直径が0.46インチと定められています。この直径の比率は1:92であり、No.36からNo.0000までの間に40種類のゲージサイズ、つまり39段階のステップがあります。連続するゲージ番号ごとに断面積が一定の割合で増加するため、直径も等比級数的に変化します。具体的には、ゲージ番号が一つ増えるごとに、直径は約1.12293倍になります。

銅線の概算抵抗

AWGはヤード法に基づいているため、メートル法に換算して使用する必要があります。実用上、39√92の6乗はほぼ2の近似値となるため、経験則的に以下の表のような関係が成立します。

1フィート（約0.3048m）の電線と1メートルの電線を比べた場合、同じ電気抵抗を示すのはNo.8とNo.3の電線です。また、ヤード法、メートル法のいずれの場合でも、ゲージ番号が3増えるごとに電線の電気抵抗はほぼ倍になります。

AWGと電気抵抗

電線のAWG番号と電気抵抗の関係は、電気回路の設計において非常に重要です。AWG番号が小さいほど電線の断面積が大きくなり、電気抵抗は小さくなります。逆に、AWG番号が大きいほど電線の断面積は小さくなり、電気抵抗は大きくなります。この関係を理解することで、適切な電線を選択し、電気回路の性能を最適化することができます。

まとめ

AWGは、北米を中心に広く使用されている電線のサイズ規格です。AWG番号と電線の直径、断面積、電気抵抗の関係を理解することは、電気技術者にとって不可欠です。ヨーロッパや日本では異なる規格が使用されていますが、AWGの知識はグローバルな視点を持つ上で役立ちます。


関連情報

規格：AWGは電線のサイズを定める規格です。
ゲージ：AWGはゲージ番号で電線のサイズを示します。
電線：AWGは電線のサイズを測るために使用されます。
針のゲージ規格：ピアスの太さなど、他のゲージ規格も存在します。
* IEC 60228：欧州で使用される電線の規格です。

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