米国特許商標庁

アメリカ合衆国特許商標庁（USPTO）

アメリカ合衆国特許商標庁（USPTO）は、アメリカの連邦政府の商務省に属し、特許および商標の権利を付与する役割を担っています。この機関は、米国特許法と商標法に基づき、知的財産の保護を提供することを目的としています。特許制度には、実用特許（Utility Patent）、意匠特許（Design Patent）、植物特許（Plant Patent）が含まれます。これらはそれぞれ異なる特性や用途を持つ知的財産権です。

特許制度の詳細

特許は、発明の新規性や独自性を涵養するためのものであり、特許を取得することにより、発明者は一定期間その発明を独占的に利用する権利を得ます。米国特許法では、以下の三種類の特許が存在します：

1. 実用特許（Utility Patent）: 一般的な発明や工業製品に対する特許です。実用的な機能を持っていることが求められます。
2. 意匠特許（Design Patent）: 製品のデザインや装飾的な特徴に対する特許です。日本の意匠に相当するものです。
3. 植物特許（Plant Patent）: 新しい植物品種に対する特許で、特定の方法で育成された植物を保護します。

その他、米国には植物品種保護制度もあります。これは農務省が所轄する法律で、品種改良された植物に関する特別な保護を提供します。なお、日本の実用新案に相当するような制度は米国では存在しません。

商標制度について

商標に関しては、米国商標法（ランハム法）に基づく連邦レベルの保護に加え、各州のコモン・ローによる商標保護も存在します。ただし、この州ごとの制度はUSPTOの管轄外です。商標登録は、製品やサービスの出所を明確にし、消費者が混乱しないようにするための重要な制度です。

組織と人員

USPTOの本庁は、かつてはバージニア州アーリントン郡のクリスタルシティにありましたが、2006年にアレクサンドリアに移転しました。この機関には約8,913人の職員が在籍しており、そのうち5,477人が特許審査官、404人が商標審査官です。特許出願が急増している状況に応じ、2006年度には1,218名の特許審査官を新たに採用しました。さらに、2007年度から2011年度にかけては、毎年1,200人以上の審査官を追加採用する計画が立てられています。

まとめ

アメリカ合衆国特許商標庁は、特許および商標の権利付与を通じて知的財産の保護と促進を行っています。この機関の役割は、発明者や企業が自らの創造物を守るための重要な基盤となっており、アメリカ経済全体にも大きな影響を与えています。知的財産の保護を通じて、創造性と革新が促進されることが期待されているのです。

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