米振標

米振標（まい しんひょう）

米振標は、清末から民国初期にかけての中国において活動した軍人で、特に清末の毅軍の重要な指導者として名を馳せました。彼は清澗県田庄郷米家溝村（現：楡林市綏徳県田庄鎮）で生まれましたが、幼少期に父母を亡くし、困難な環境で育ちました。10歳の時に放浪の旅に出たところ、清軍に捕らえられ、米氏の養子となって武官の道を歩むこととなります。

その後、米振標は淮軍に参加し、同治年間には宋慶の指揮する毅軍に転属しました。彼のキャリアは早くから上昇を遂げ、兵卒から始まり、最終的には翼長にまで昇進しました。1902年には千総用把総として守備に任命され、光緒末期には左路歩軍統領として通州に駐屯。1911年の武昌蜂起後には、山西省大同奪還戦に先遣隊の統率者として派遣されました。

米振標は孤軍奮闘しつつも、後に革命軍と和議を結ぶことに成功し、これによって毅軍内での地位を一層高めました。彼の軍事的才能は、激しい戦闘の中でも光を放ち、1913年には反乱を鎮圧し、熱河省の林西鎮守使に任命されるという成果を上げました。1915年には袁世凱によって一等子爵に封じられ、政権の中枢にも少しずつ影響を持つようになります。

袁世凱死後、米振標は段祺瑞の安徽派に従属しつつも、その後の階段と共にさまざまな派閥を渡り歩きました。1920年に入っても、彼は熱河都統としての地位を保ちつつ、直隷派への転属を果たします。しかし、1924年には都統を罷免され、その後河南省へと活動の場を移すことになります。国民軍に参加した米振標は、さらにその地位を高め、国民軍第2軍の指揮官に任命される名誉を受けました。

彼の活動は河南省でも続きましたが、1927年に安国軍の脅威が増大する中で、時代は急速に変わっていきました。米振標は最終的にはその後の国民革命軍に転じることになりますが、これは彼のキャリアの一つの転換点となりました。

晩年、彼は北平や山海関に居を構え、慈善活動に力を入れました。故郷に小学校を建設し、地域社会に貢献した彼の姿は、軍人としての顔だけでなく、地域社会に愛される存在としても知られました。1928年に69歳で生涯を閉じた米振標は、清末から民国初期にかけての激動の時代に生き抜いた象徴的な人物でした。

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