米朝修好通商条約

米朝修好通商条約について

米朝修好通商条約、通称「シューフェルト条約」は、1882年5月22日にアメリカ合衆国と李氏朝鮮の間で締結されました。この条約は、朝鮮が欧米諸国と正式に結んだ最初の条約として特に重要です。

条約の締結背景

条約の締結は、アメリカと大清帝国との条約案文が朝鮮に提示され、朝鮮側がそれに事後承諾する形で実現しました。大清帝国の馬建忠が立会人として関与し、アメリカの海軍提督シューフェルトや朝鮮の使節団（正使・申櫶、副使・金弘集）とともに英文および漢文の三通からなる十四ヶ条の条約に調印されました。特に注目すべきは、条約の第一条に李氏朝鮮が清の属国であるという内容を記載しようとした李鴻章の試みがアメリカに拒否された点です。このため、李氏朝鮮の国王自らが属国に関する文書をアメリカ大統領に送ることで妥協がなされました。

条約の内容とその影響

条約締結後、朝鮮は清国からの強い干渉を受け、次第に西欧諸国との間で不平等[[条約]]を結ぶこととなりました。本条約は不平等[[条約]]ではあるものの、欧米諸国とアジアの国々との間で結ばれた類似の条約と比較して、その不平等性は比較的緩やかであったとされています。この条約においては、「周旋条項」と呼ばれる条文が存在し、第三国からの抑圧に対して円満な解決を模索するための仲介を要求できるものとなっています。これにより、朝鮮は日中露など周辺国の脅威が差し迫るたびにアメリカの援助を求めることになります。

朝鮮側の外交努力

1883年には、閔妃の一族である閔泳翊を全権大使としてアメリカに派遣し、朝鮮の意見を表明するための使節団「朝鮮報聘使」が設立されました。彼らはアメリカ国務省を訪れ、当時の大統領チェスター・A・アーサーに国書を呈上しました。この時、アメリカ側はジョージ・クレイトン・フォークが応対し、彼らをアメリカ各地へ案内しました。しかし、アメリカ政府は複雑な朝鮮問題に対し深入りすることを避け、朝鮮からの援助要請に対しては拒否していました。

条約の終焉

1905年には、アメリカは桂・タフト協定に基づき日本との間でフィリピン支配の継続と韓国に対する日本の宗主権を相互に承認しました。この協定の後、韓国の外交権が日本に移管されるとともに、韓国と外交関係を持つ国々が次々と駐韓公使館を撤収させていきました。これによって、米朝修好通商条約は事実上破棄される結果となりました。

このように、米朝修好通商条約は朝鮮の対外関係に多大な影響を及ぼし、その後の歴史における重要な転機となったことは間違いありません。

もう一度検索