米澤蓮

米澤蓮（よねざわ れん）は、1999年7月23日に岩手県で生まれた日本のプロゴルファーです。現在はティ.エム.プラテックに所属しています。

幼い頃、テレビで見たゴルフ中継に魅せられたことが、彼のゴルフとの最初の接点となりました。小学校時代の休日、家族でショッピングに出かけた際に、開店時間を間違えて早く着いてしまい、隣接していたゴルフ練習場に立ち寄ったことが、ゴルフを始めるきっかけとなります。「僕もやってみたい」という一言が、その後のキャリアへと繋がりました。

彼はほぼ独学でゴルフの腕を磨き、小学生の頃から数多くのジュニア大会で優勝を重ねました。『東北ジュニア』では、様々なカテゴリーで合計5回の優勝を記録。盛岡中央高等学校時代には、『東北高校選手権』を3年連続で制覇するなど、若くしてその才能をいかんなく発揮しました。

東北福祉大学に進学した2018年からは、ナショナルチームの一員として国際舞台でも活躍します。同年、インドネシアで開催された『第18回アジア競技大会ゴルフ競技』では、金谷拓実、今野大喜、中島啓太と共に男子団体で日本チームを5大会20年ぶりの金メダル獲得に導きました。また、金谷、今野、大澤和也とのチームで臨んだ『第18回ネイバーズトロフィーチーム選手権』では、日本チームにとって初めてとなる大会2連覇に貢献するなど、アマチュア時代から国際経験を積みました。

プロフェッショナルの試合にも積極的に参戦し、アマチュアながらプロ顔負けの成績を残しました。2019年の『アジアパシフィックオープン』では、最終日に驚異的な追い上げを見せ、優勝した浅地洋佑にわずか1打及ばず惜しくも2位タイとなりました。アマチュアとして出場した13試合中、予選落ちしたのはたった一度という安定感を示し、プロツアーでの通用することを証明しました。

2021年のファイナルQTを55位で終えた時点でプロゴルファーとしてのキャリアをスタートさせました。しかし、プロ1年目の2022年シーズンは、パッティングに深刻な不調を抱え、「どこに構えているかも分からなくなった」と自身が語るように、いわゆるイップスのような症状に苦しみました。

苦境を乗り越えるため、2023年春には、アマチュア時代に所属していたナショナルチームのジョーンズコーチの助言を受け、豪州ツアーへの挑戦を決意します。初戦で8位に入り、計4戦に出場する中で、「パターを変えたり、打ち方を変えたり。試合で試せたのが一番」と試行錯誤を重ね、改善の兆しを見せ始めます。2023年シーズンは、『カシオワールドオープン』で惜しくも1打差で優勝を逃し、『パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ』でも2位となるなど、初優勝に迫る活躍を見せました。

そして、2024年5月、『中日クラウンズ』でついに悲願のツアー初優勝を飾ります。最終日を2打差の3位タイからスタートし、6バーディー、1ボギーの「65」で回り、通算13アンダーでの逆転優勝でした。この優勝は、岩手県出身の選手としては初めての男子ツアー優勝という歴史的な快挙となりました。

さらに、同年8月には『横浜ミナト Championship 〜Fujiki Centennial〜』で再び優勝を果たします。最終日を2打差の2位で迎え、7バーディー、ノーボギーの完璧な「64」をマークし、通算20アンダーで逆転勝利。プロ入り後、わずか数ヶ月でツアー2勝目を挙げ、トッププロとしての地位を確立しつつあります。

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