米田正文

米田正文の概要

米田正文（よねだ まさふみ、1904年8月14日 - 1984年6月20日）は、日本の内務および建設の官僚であり、政治家としても知られる人物です。彼は参議院議員を3期務め、日本の土木行政に多大な影響を与えました。

経歴と業績

米田は福岡県田川郡添田町に生まれ、佐賀高等学校理科甲類を卒業後、1928年に九州帝国大学工学部土木学科を卒業し、内務省に入省しました。内務技師としてのキャリアをスタートさせ、1933年には満洲国国道局に技正として採用されました。この時期、彼は満洲国での土木行政において重要な役割を果たし、奉天省交通庁長などの要職を歴任しました。

満洲国においては、1935年に満洲道路協会を設立し、さらには1937年から改称した満洲土木研究会の活動にも関与しました。これらの団体を通じて、彼は満洲国における土木技術の発展に寄与しました。終戦後、彼は内務省に復帰し、1948年には建設院の初代水政局治水課長に就任。重要な水害対策にも取り組みました。

戦後の活躍

1949年には「河川改訂改修計画」を提案し、総合的な水系計画を推進しました。米田は河川保全の重要性を認識し、国民運動を展開する必要性を訴え、全国治水期成同盟会連合会を創設しました。1950年には近畿地方建設局長に就任し、夜間工事などの悪条件下での自然災害に対応しました。1952年には「淀川計画高水論」により工学博士を取得し、この成果は後の技術基準に活かされています。

彼は河川局長や建設技監などの役職を歴任し、特に1958年には建設事務次官に任命されました。これにより、彼は官庁内でも重用される存在となりましたが、翌年には政治の道に進むことを決め、第5回参議院議員通常選挙に出馬して見事にトップ当選を果たしました。

政治家としての活動

その後の選挙では上手くいかない場面もありましたが、1968年の選挙で国替えを果たし当選を果たしました。1974年には選挙に出ないことを決め、若松築港社長の有田一壽が後継者として立候補し当選しました。

米田は1977年から闘病を経て1984年に亡くなり、その死後には勲一等瑞宝章が追贈され、正四位に叙されました。

著作と栄典

彼は多くの著作を残しており、特に『土と杭の工学』や『洪水特性論』など、土木工学に関連する書籍を著しています。1974年には勲二等旭日重光章を受章し、1984年には勲一等瑞宝章を授与されるなど、その業績が評価されています。

米田正文の功績は日本の土木行政や政治において今なお色褪せることはなく、後世に影響を与え続けています。

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