籾山泰一

籾山泰一：植物学と俳句の世界

籾山泰一（もみやま やすいち、本名たいいち、1904年1月11日 - 2000年3月3日）は、20世紀の日本において植物学者として活躍した人物です。彼は東京都築地で生まれ、俳人である籾山梓月を父に持ちました。梓月は俳書堂・籾山書店の経営者であり、俳句総合雑誌の草分けである『俳諧雑誌』を創刊・主宰した人物でもあります。

泰一自身も俳号として「梓山」を名乗り、俳句の世界にも足を踏み入れました。また、鳥類学者の籾山徳太郎は彼の従兄にあたります。研究論文においてイニシャルが重複することを避けるため、彼は「やすいち」という名前を使用するようになりました。

植物学者としての歩み

泰一は慶応大学予科を病気で中退した後、植物学者の道を志します。中井猛之進のもとで7年間植物学を学び、その後、樹木学者の猪熊泰三のもとで研究に励みました。彼は横浜植物会の初期からのメンバーとしても活動しました。

1941年からは、資源調査を目的とした研究機関である資源科学研究所の植物部門で研究に従事しました。資源科学研究所が業務停止した後、彼は東京都立大学（1949-2011）に移り、牧野富太郎の標本整理などの業務に携わりました。

著作と業績

籾山泰一は、植物学の研究だけでなく、著作活動も行いました。編集者として『梓雪句集』や『ばら花譜』などを手がけ、植物や俳句に関する知識を広めました。

彼の業績は、日本の植物学の発展に大きく貢献しただけでなく、俳句の世界にも影響を与えました。植物学者としての厳密な視点と、俳人としての繊細な感性を併せ持つ彼は、独自の視点から自然を捉え、表現しました。

人となり

籾山泰一は、研究者としてだけでなく、人としても魅力的な人物でした。彼は、常に自然を愛し、植物に対する深い知識と愛情を持っていました。また、俳句を通じて、自然の美しさや奥深さを人々に伝えようとしました。

彼の生涯は、植物学と俳句という二つの世界を結びつけ、独自の文化を創造したものであり、後世に多大な影響を与えました。

参考文献
* 『植物文化人物事典』大場秀章（編集）出版社: 日外アソシエーツ (2007年4月) ISBN 4816920269

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