精霊使い

『精霊使い』（エレメンタラー）について

『精霊使い』は、岡崎武士による漫画であり、同名のアニメも存在します。1989年から1997年まで、アニメ雑誌『ニュータイプ』（角川書店）で連載されていましたが、著者の病気によって未完のまま「第一部完」となりました。この作品は1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞し、一定の評価を得ています。また、2022年からは続編『精霊使い -些の塵滓-』が『月刊ヤングマガジン』（講談社）で連載されています。

概要

『精霊使い』は、連載終了後に全4巻がニュータイプ100%コミックスから刊行され、さらに1999年から2000年にかけて小説版を檜村美月が加筆し、全3巻が出版されました。この小説版では未完の部分が補完され、物語が一定の形で完結します。その後、2007年には講談社から再編集特別版が全3巻で刊行され、岡崎武士自らによる新作エピソードも収められました。

連載中、岡崎は3度入院し、その間に栄養不足や精神的な消耗が影響していました。このため、連載を続けるのが困難な状況にありました。

ストーリー

物語は、不完全な理想郷を目指し、精霊たちが集まった精剣戦争を中心に展開します。四つの属性に仕える精霊使い（火、地、水、風）は、それぞれ異なる役割を果たしながら長い間争い続けています。物語の主人公である甘えん坊な少年、覚羅は、自身の愛する麻美を水が属の長、支葵に攫われたことで、最強の精霊使い、エーテルの精霊使いとして覚醒します。覚羅は仲間と共に理想郷を手に入れるため、壮大な戦争に挑むこととなります。

登場人物

覚羅（声：緑川光）
エーテルの精霊使いで、治癒能力をもつ。成長し、全ての精霊使いの中でも頂点に立つ。

麻美（声：椎名へきる）
覚羅の幼馴染で、攫われたことから物語が動き出す。

千燁（声：山崎和佳奈）
麻美の友人で、攫われるが、覚羅と共に戦うことになる。

露羽（声：佐久間レイ）
木の精霊使いで、覚羅の姉的存在。支葵を愛している。

支葵（声：井上和彦）
水が属の長であり、麻美を攫った人物。また、道徳心の高い人物です。

瑣衣（声：松本保典）
火の精霊使いであり、精剣戦争を駆動させる役割を持つ。

用語解説

• - 精剣: 精霊に命令を送るための武器で、特殊な力を持つ。
• - 増殖者（ディーパ）: 精霊使いの力を引き出す能力を持つ人間。
• - 法珠: 精霊の力を物理的に行使する手段で、個々に特性がある。

書誌情報とアニメ

元々の漫画は角川書店から全4巻が刊行され、2007年には講談社から再編集版が出版されています。また、1995年にはOVAが制作されており、一部設定が原作とは異なる内容となっています。

『精霊使い』は、独特な世界観やキャラクターの成長、そして精霊との関わりが描かれており、多くのファンに支持されています。

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