糖原病

糖原病（Glycogenosis）

糖原病は、グリコーゲンの代謝に関わる酵素の先天的な異常によって、身体の組織、特に肝臓や筋肉にグリコーゲンが過剰に蓄積される病気です。この病気は「糖原蓄積症」とも称され、多様な症状が現れます。糖原病は、ヒトにおいては17の型（グリコーゲン代謝酵素の欠損に基づく）、犬では4つの型に分類されており、多くの型は常染色体劣性遺伝によって引き継がれます。

原因

主にグリコーゲン代謝を担う酵素の異常が原因であり、さまざまなグリコーゲン代謝酵素をコードする遺伝子に病的な変異が認められています。これにより、グリコーゲンが正常に分解されないため、体内に蓄積してしまいます。

疫学

日本国内における糖原病の患者数は、筋型糖原病が推定3,000〜6,000人、肝型糖原病が約1,200人とされているため、比較的稀少な病気といえます。さまざまな型が存在するため、患者ごとに症状の現れ方は異なります。

症状

この病気の症状は主に筋肉と肝臓に関連しています。筋肉の症状には、運動時に感じる筋肉痛や筋肉の硬直、横紋筋融解症に伴うミオグロビン尿症、筋力低下や筋萎縮、さらには心筋障害が含まれます。一方、肝臓における症状としては、空腹時に低血糖を引き起こすことや肝腫大、乳酸アシドーシスが挙げられます。

加えて、いくつかの病型では知的障害やてんかん、小奇形、黄疸、不整脈、さらには突然死といった合併症が見られることもあります。

病型

糖原病は多くの病型があり、了解されている主なものには以下の病型があります。これらの病型は、異なる酵素に由来するため、症状や治療法が異なります。

• - ポンペ病（II型）: 酵素α-グルコシダーゼの欠損により、筋肉にグリコーゲンが蓄積されます。
• - マッカードル病（V型）: 筋肉におけるグリコーゲンの代謝に関わる酵素の異常です。

関連項目

糖原病に関連するトピックとして、グリコーゲンの基本的な理解、ポンペ病、マッカードル病、難病法の関連情報が挙げられます。これらの知識は、糖原病を理解する上で非常に重要です。

参考文献

• - 日本獣医内科学アカデミー編、『獣医内科学（小動物編）』文永堂出版、2005年。
• - 獣医学大辞典編集委員会編、『明解獣医学辞典』チクサン出版、1991年。
• - メルクマニュアル
• - 厚生労働省による各種報告や文献

このように糖原病は、様々な形で人体に影響を及ぼす珍しい遺伝性の疾患であり、適切な理解と治療が求められます。

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