糠沢和夫

糠沢和夫の生涯と業績

糠沢和夫（ぬかざわ かずお、1936年11月20日 - 2020年9月28日）は、日本の経済界と外交界で重要な役割を果たした人物です。福島県本宮町（現本宮市）に生まれ、実業家の家庭で育ちました。一橋大学経済学部を卒業後、経済団体連合会（経団連）に入局し、そのキャリアをスタートさせました。

経団連での活躍と国際的な活動

経団連では、国際経済部長や常務理事（国際担当）などを歴任し、国際的な経済問題に深く関わりました。1963年からは国際連合給費留学生としてヨーロッパに留学し、競争政策を研究しました。その後も、日米貿易協議会への出向やロックフェラー財団での研究員経験を通じて、国際的な視野を広げました。1995年には、むつ小川原開発株式会社の社長に就任し、1997年には経団連専務理事に就任するなど、経済界での存在感を高めました。

皇太子妃雅子との交流

糠沢は、皇太子徳仁親王妃雅子（当時ハーバード大学に留学中）との交流もありました。小和田恆の紹介で、雅子妃に石油ショックについて説明し、妃の卒業論文にも謝辞が記されています。この交流は、糠沢の幅広い人脈と知見を示すエピソードと言えるでしょう。

外交官としてのキャリア

1998年、糠沢は経団連出身者として初の特命全権大使（在ハンガリー共和国）に任命され、外交官としてのキャリアをスタートさせました。その後、2002年には民間人として初めて外務省大臣官房文化交流部長に就任し、外務省改革の一翼を担いました。これらの役職を通じて、日本と諸外国との文化交流や相互理解の促進に尽力しました。

日洪辞典編纂への貢献

糠沢の功績として特筆すべきは、日洪辞典の編纂に尽力したことです。駐ハンガリー大使時代に、日本語・ハンガリー語大辞典の編集委員会を立ち上げ、約15年の歳月をかけて完成させました。この辞典は、3万9845項目、2万4001熟語、1万6895慣用句、431諺、4万9894用例を収録した本格的なもので、日本とハンガリーの相互理解を深める上で重要な役割を果たしています。この業績は高く評価され、外務大臣表彰を受けています。

受賞と称号

糠沢は、その功績からタイ王国功労賞、ハンガリー共和国功労中十字章を受章しました。2008年には、初代本宮市名誉市民の称号も授与されています。これらの受賞や称号は、糠沢の多岐にわたる分野での貢献を物語っています。

その他の活動

朝河貫一博士顕彰協会の代表理事も務めるなど、教育・文化分野にも貢献しました。また、著書や訳書を通じて、自身の知識や経験を社会に還元しました。

糠沢和夫は、経済人、外交官、文化交流の推進者として、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。彼の業績は、今後の日本と世界の発展に貢献し続けるでしょう。

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