糸 (映画)

映画『糸』の詳細

『糸』（いと）は、2020年8月21日に日本で公開された映画です。監督は瀬々敬久、主演には菅田将暉と小松菜奈が起用されています。この作品は、平成元年に誕生した男女、つまり高橋漣と園田葵の18年間の人生を描いています。物語は出会いと別れを経て、平成の終わりに再び顔を合わせるという内容で、生活者の視点から見た時代の変遷もテーマになっています。特に中島みゆきの楽曲「糸」が原案となっており、作品全体に深い情感があります。

公開にまつわるエピソード

『糸』の公開は当初2020年4月24日を予定していましたが、コロナウイルス感染拡大のため約4ヶ月遅れての公開となりました。公開初日には東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台挨拶が行われ、全国111の劇場に生中継されました。また、8月12日には特別先行上映も実施され、多くの観客の注目を集めました。公開から1ヶ月半後の10月12日には大感謝舞台挨拶も行われ、キャストの菅田将暉と小松菜奈が感謝の気持ちを伝えました。

制作と細部

この映画の原案と企画プロデュースを担当した平野隆は、鑑賞後も幸せな気持ちを持ち帰ってほしいと願って制作に取り組んだと語っています。中島みゆき自身も、自らの楽曲が映像化されることに驚きと期待を抱いていました。撮影は、2019年7月から9月および12月にかけて、関東近郊や北海道、沖縄県、シンガポールで行われました。

物語のあらすじ

故事は、漣と葵の出会いから始まります。13歳の時、北海道・美瑛の花火大会で初めて出会った二人は、特別な感情を抱くことになります。しかし翌日、葵は移り住むことになり、漣との約束を果たすことなく姿を消します。数年後、漣は結婚式で偶然再会しますが、互いの近況を話すだけで終わってしまいます。漣は葵を思い出しながら、日常生活に戻っていきます。

再び出会った葵は東京で苦しい日々を過ごし、いくつもの困難に直面します。一方、漣は香という女性と付き合うことになり、結婚の道も見え始めますが、彼女は癌の再発に悩まされます。そんな中で、複雑な運命が互いをつなげていきます。

ラスト

物語は、平成の最後の日に再び巻き起こる感動的な再会へと導かれます。漣と葵は、それぞれの人生を振り返りながら、過去に向き合い、未来を見つめ直します。最終的には哭き合い、愛情の深さを実感し合う瞬間が描かれています。

キャストと評価

主なキャストには、漣役の菅田将暉、葵役の小松菜奈、葵の親友・玲子役の山本美月などがいます。映画は評論家から賛否が分かれる意見がありましたが、特に「平成をどう捉えているのかが見えづらい」とする厳しい評価も見受けられます。

受賞歴

この作品は、第44回日本アカデミー賞で優秀主演男優賞、優秀主演女優賞、優秀音楽賞を受賞しています。

まとめ

映画『糸』は、愛と別れ、再会の物語が織りなすドラマティックな作品であり、時代の背景を通じて人々の心の動きを描いた作品として、多くの観客に感動を与えました。

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