糸居五郎のオールナイトニッポン

糸居五郎のオールナイトニッポン

『糸居五郎のオールナイトニッポン』は、1967年から1981年まで放送されたニッポン放送の深夜ラジオ番組で、初代パーソナリティの糸居五郎がメインを務めました。この番組は、音楽を中心に構成され、トークよりも音楽を重視したノンストップのスタイルが特徴です。放送時間は、当初は毎週月曜の深夜25時から29時まで（火曜未明1時から5時）、後に金曜日や水曜日などに枠が移動し、その期間も多岐にわたりました。

パーソナリティと放送内容

糸居五郎は、番組のメインパーソナリティとして知られ、彼の選曲や独特の進行スタイルがリスナーに愛されました。番組中には主に洋楽がかけられ、日本の音楽が紹介されることは稀で、特に歌謡曲はほとんど流されませんでした。このスタイルは、1959年から放送されていた「オールナイト・ジョッキー」に倣ったもので、糸居が自身で選曲を行ない、ターンテーブルを操作しながら放送が進行される形態でした。リクエストも受け付けられたものの、糸居はリスナーからのリクエストをあまり紹介せず、自身の選曲による音楽体験を提供していました。

技術的には、ニッポン放送本社の第4スタジオからの放送で、糸居は一人で多数の機材を操作しながら進行していました。この放送スタイルにより、彼は自身のリクエストカードの準備や曲のオンエア確認を行う中で、リスナーへのメッセージを届けました。

エピソードの数々

印象深いエピソードの一つとして、番組の中で語られるフレーズやキャッチコピーが挙げられます。「オールナイトニッポン、Go Go Go!!!」といったリズミカルな表現が特徴で、これらは糸居自身の言葉ではないものの、各曜日にアレンジされて使われました。また、彼は時には特別番組をマラソン形式で行い、50時間の生放送を成功させるなど、番組の枠を超えた挑戦を続けていました。

番組の最終回は1981年6月29日で、当日は多くの音楽関係者や同僚が一堂に会し、盛大に送られました。ゲストとしても人気DJやアーティストたちが集まり、感動的なエンディングを迎えました。その後、放送が終了し、糸居五郎は1984年に亡くなるまで、ラジオ界における大きな存在であり続けました。

さらに、彼の死去後には追悼特別番組が企画され、松竹芸能のパーソナリティたちも参加し、彼の影響力がいかに翌世代に受け継がれているかを示しました。2017年には貴重な音源の一部が発見され、CDとして復刻されるなど、彼の作品への関心は今もなお続いています。

このように、糸居五郎の『オールナイトニッポン』は、単なる音楽番組を超え、ラジオのバラエティに富んだ歴史に名を刻む存在となりました。

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