紀伊國屋じんぶん大賞

紀伊國屋じんぶん大賞とは

紀伊國屋じんぶん大賞は、大手書店である紀伊國屋書店が主催する、人文書を対象とした書籍賞です。この賞の最大の特徴は、一般読者の投票と紀伊國屋書店の社員による投票によって受賞作が決定される点にあります。

対象となる分野

紀伊國屋じんぶん大賞における「人文書」とは、具体的には以下の分野を指します。

哲学・思想
心理
宗教
歴史
社会
教育学
批評・評論

これらの分野を対象とし、前年の12月から当年11月までに出版された新書や文庫を含む書籍が選考の対象となります。

賞の構成と関連イベント

毎年、大賞とともにベスト30が発表されます。受賞作品は、全国の紀伊國屋書店でフェアが開催され、推薦コメント付きのリーフレットが店頭で配布されるなど、受賞作の魅力を広く伝えるための取り組みが行われます。

近年の受賞作品

以下に、近年受賞した作品の一部を紹介します。

第13回（2023年）
大賞：高島鈴『布団の中から蜂起せよ：アナ－カ・フェミニズムのための断章』
第14回（2024年）
大賞：田野大輔・小野寺拓也『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか？』
第15回（2025年）
* 大賞：福尾匠『非美学：ジル・ドゥルーズの言葉と物』

意義

紀伊國屋じんぶん大賞は、人文書というジャンルに光を当て、優れた作品を広く社会に紹介する役割を果たしています。読者と書店員が共に選ぶという形式は、単なる売上ランキングとは異なる、作品の質や内容に対する評価を反映していると言えるでしょう。受賞作品を通じて、人文書の魅力を再発見し、知的好奇心を刺激される機会を提供しています。

紀伊國屋じんぶん大賞は、人文書の分野における重要な指標の一つとして、今後も注目されていくことでしょう。

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