紅三四郎

『紅三四郎』（くれないさんしろう）

『紅三四郎』は、九里一平とタツノコプロによって描かれた漫画作品であり、その後アニメ化され、1969年4月2日から同年9月24日までフジテレビ系列で放送された、全26話の作品です。この作品は、異種格闘技や武道をテーマにし、多くのファンを魅了しました。

漫画の始まり

テレビアニメ化を視野に入れた原作として、九里一平とタツノコプロによる漫画版が1968年の『週刊少年サンデー』で連載されました。この作品は、1968年31号から47号まで掲載され、その後アニメ化が決定しました。連載終了後、原作名義は九里一平の兄である吉田竜夫に変更されました。さらに別のコミカライズとして、吉田竜夫原作によるタツノコプロ名義の漫画版が、1969年の『週刊少年ジャンプ』に連載されました。これにより、このジャンプ版は『週刊少年ジャンプ』初のアニメ化作品と位置づけられていますが、実際にはすでに存在していたコミカライズ作品でした。

単行本の展開

九里一平版の単行本は秋田書店からサンデーコミックスブランドで発行されましたが、早々に絶版となり、高額なプレミアム価格で取引されるようになります。その一方で、吉田竜夫版は単行本化されることがなかったものの、2007年にマンガショップ社から復刻版として刊行され、両バージョンを収録した完全版として再登場しました。ただし、オハヨー出版によるコミカライズ版は収録されていない点が特徴的です。さらに、2008年には集英社から『ジャンプレジェンド』に吉田竜夫版の第1話が再収録されました。

テレビアニメの概要

『紅三四郎』のアニメは、放送当初から注目を集めており、平均視聴率は11.8%を記録しました。また、この作品は「アニメソングの女王」と称される堀江美都子が初めて主題歌を担当したことでも知られています。日本国外では「JUDO BOY」というタイトルで知られています。

ストーリーの魅力

物語は、紅流柔術の達人である紅三四郎が、父である紅流師範・紅正五郎を奪った「片目の男」を追う展開です。三四郎は愛車のバイク「紅号」を駆り、世界各国を旅し、様々な武術を使う者たちと対決しながら、道中の人々とも交流を深めていきます。毎回のエピソードでは、敵との戦闘前にヒーローとしての「変身シーン」が演出され、赤い柔道着をまとった姿で決めポーズをとるのが恒例となっていました。戦闘の舞台も荒野や森林、建築現場の鉄骨の上など多岐にわたります。

主要キャラクターとスタッフ

アニメの主な登場キャラクターには、紅三四郎を演じる西川幾雄やケン坊を担当する雷門ケン坊などがいます。また、ナレーションには内海賢二が起用されています。スタッフには、原作の吉田竜夫をはじめ、脚本や演出においても多くの才能が集まりました。主題歌には、美樹克彦によるオープニングや堀江美都子のバージョンが用意され、エンディング曲も多彩です。

最後に

『紅三四郎』は、その独自のストーリーとキャラクター、そして印象的な音楽によって多くの視聴者に愛された作品です。時間が経ってもその魅力は色あせず、さまざまな商品やリメイクが登場するなど、記憶に留まる作品となっています。

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