紅匂ふ

『紅匂ふ』について

『紅匂ふ』（くれないにおふ）は、大和和紀によって描かれた日本の漫画作品です。その原案は、元祇園甲部の芸・舞妓である岩崎峰子が著した『芸妓峰子の花いくさ』に基づいています。この作品では、京都の花街を舞台に、舞妓としての成長や恋愛を描いたストーリーが展開されます。

あらすじ

物語の主人公である石橋咲子は、京都・山科に生まれた11人兄弟の末っ子です。10歳の時に、母屋「石橋」の女将に見初められ、彼女は舞妓・芸妓「咲也（さくや）」としての新しい人生をスタートさせます。物語の前半では、咲子の成長過程や花街の魅力が中心に描かれ、後半では人気俳優の中川竜吾との恋愛模様が展開されていきます。

この作品は2003年第19号から2007年第10号まで、不定期連載として発表され、話題を呼びました。講談社からは全4巻のコミックスが出版され、さらに講談社漫画文庫版として全3巻も発売されています。

登場人物

咲也（さくや） / 本名：石橋 咲子（いしばし さきこ）

昭和24年に京都山科で生まれる咲子は、10歳で置屋「石橋」の跡継ぎとなり、新たに「咲也」という名前に改名します。15歳で舞妓デビューを果たし、その美しさから「百年に一人」と称される存在へと成長していきます。

中川 竜吾（なかがわ りゅうご）

人気を誇る俳優で、既婚者ですが、咲也に魅了され、彼女との関係が発展していきます。

キンタローせんせ / 本名：坂田 時夫（さかた ときお）

咲也の入院時に担当医となり、兄のように彼女を支える存在です。

お福ばあさん

「石橋」の先代で、咲也を見初め、彼女をこの世界に導いた人物です。

タマ子おかあちゃん / 玉千代（たまちよ）

咲也の義母であり、お福ばあさんの義理の孫娘です。三味線の演奏を行っています。

山野のおかあさん

祇園甲部で勢力を持つ置屋「山野」のトップであり、咲也の強力な後ろ盾となっています。

梅千代さん姐さん（うめちよさんねえさん） / 本名：吉田 梅子

咲也の実の長姉で、「石橋」の元売れっ子芸妓。わがままな性格で、咲也に対しては冷たく接しています。

陽子姉ちゃん（ようこねえちゃん）

咲也の実の姉で、置屋の仕事を手伝いながら家族を支えています。

ゆり香さん姐さん（ゆりかさんねえさん） / 本名：岡本 恵

祇園の名花と称される芸妓で、咲也が最も慕う存在です。

その他の同期舞妓たち

いづ美、菊丸、小雪など、咲也と同じ時期に舞妓として頑張る仲間たちが登場します。

結論

『紅匂ふ』は、単なる恋愛物語ではなく、花街の文化や舞妓として生きる人々の苦悩や希望が感じられる深い内容です。大和和紀が描く、鮮やかで緻密なストーリーが、読者を魅了してやまないことでしょう。

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