紅白そっくり大賞

紅白そっくり大賞：芸能人そっくりさんたちが競演した歌謡バラエティ番組

『紅白そっくり大賞』は、1984年から1987年にかけてフジテレビ系列で放送された、斬新な歌謡バラエティ番組でした。一般参加者の中から、容姿や歌声が有名芸能人にそっくりな人々を選び抜き、プロのものまねタレントたちと競わせるという、当時としては画期的な内容が人気を博しました。IVSテレビ制作とフジテレビの共同制作で、全13回（10回＋特番1回＋番外編2回）にわたって放送されました。

白熱の審査：ランプで示される点数とチーム対抗戦

番組の最大の特徴は、その審査方法にありました。参加者一人につき持ち点2点、合計20点満点で、10人の審査員が採点。審査結果は、得点ボードに設置されたランプで表示されました。16点までは白ランプ、17点以上は赤ランプというシンプルなシステムでしたが、参加者たちの緊張感と、白熱した審査の様子が視聴者の心を掴みました。17点以上を獲得すると、所属チーム（白組または紅組）に点数が加算され、チーム対抗戦として番組が進行しました。このシステムにより、個々のパフォーマンスだけでなく、チームワークや一体感も重要視される、独特の番組構成となっていました。

華麗なる出演者たち：司会、審査員、ゲスト、そしてものまね参加者たち

番組を盛り上げたのは、豪華な出演者たちでした。司会は、回によって土居まさる・研ナオコ、桂三枝・鳥越マリ、明石家さんま・榊原郁恵、愛川欽也・山田邦子、愛川欽也・水沢アキなど、人気タレントが務めました。審査員も、キダ・タロー、赤塚不二夫、天地総子といった著名人から、人気歌手、俳優、そしてお笑い芸人まで、幅広い顔ぶれが揃っていました。各回のゲストも豪華で、アイドルからベテラン俳優まで、多くの著名人が出演し、番組を彩りました。もちろん、番組の中心であるものまね参加者たちも、その歌唱力や表現力、そして驚きのそっくりさで、視聴者を魅了しました。

スタッフ：番組を支えた技術陣と制作陣

番組制作には、多くのスタッフが関わっていました。音楽はタバタ音楽事務所（田端光夫）、演奏は豊岡豊とスウイングフェイス、小松明とサウンドフラッシュ、松本文男とミュージックメーカーズなどが担当。また、振付は水口徳雄、ナレーションは小倉智昭といった、ベテランスタッフが番組クオリティを支えました。演出には、後に多くのバラエティ番組を手がける伊藤輝夫（現・テリー伊藤）が名を連ねています。制作はフジテレビとIVSテレビ制作による共同制作という体制で、多くのスタッフの努力によって、このユニークな番組が実現しました。

特番とドラマスペシャル：番組の枠を超えた展開

『紅白そっくり大賞』は、レギュラー放送以外にも、特番やドラマスペシャルも放送されました。特番では、豪華審査員陣と、よりスケールアップしたパフォーマンスが展開。また、ドラマスペシャルでは、ものまねを題材にしたオリジナルドラマが制作され、人気俳優たちが多数出演。これらの企画は、番組の人気の高さを示すものでした。特筆すべきは、第6回の審査員として出演予定だった岡田有希子さんが、放送3日前に亡くなられたため、彼女の出演シーンには追悼テロップが表示されたことです。この出来事は、番組の歴史において忘れられない出来事の一つとなっています。

関連番組：ものまねブームを牽引した番組群

『紅白そっくり大賞』は、単独番組としてだけでなく、その後続番組や関連番組群の一部としても存在感を示していました。『ザ・そっくりショー』や『史上最高そっくり大賞』、『ものまねバトル』など、多くのものまね番組が制作され、社会現象ともいえるものまねブームを巻き起こしました。『紅白そっくり大賞』はその先駆けとして、大きな役割を果たした番組の一つと言えるでしょう。

まとめ：時代を彩った、記憶に残るバラエティ番組

『紅白そっくり大賞』は、そのユニークな企画、豪華な出演者、そして熱気あふれる審査で、多くの視聴者の記憶に残る番組となりました。日本のバラエティ番組の歴史において、重要な位置を占める番組の一つであり、現在のものまね番組にも大きな影響を与えた番組と言えるでしょう。

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