納采の儀

納采の儀（のうさいのぎ）について

納采の儀は、日本の皇室における特別な儀式で、主に皇族が結婚する際に行われます。この儀式は、結納の源流とも言えるものであり、古くからの伝統に基づいています。

歴史的背景

納采の儀の始まりは非常に古く、仁徳[[天皇]]の時代に遡るとされています。仁徳[[天皇]]が皇后を迎える際、中国からの習慣を取り入れて贈り物を行ったことが、その起源であると言われています。一般には、納采の儀は結納に該当するとされており、その後、日本において結納として広まりました。

男子皇族の納采の儀

男子皇族が結婚する際、父母である天皇と皇后または宮家の当該皇族の両親が、媒介者を通じて相手の実家に供物を届けます。この供物には、納采の意を込めて贈られるもので、使者は相手の両親にその旨を伝え、品物を渡します。相手の両親が供物を受け取ると、使者はその報告を天皇と皇后に行います。

女子皇族の納采の儀

女子皇族の場合は、結婚相手の使者が供物を持参し、皇居で出迎えられます。侍従長が使者をもてなし、納采についての報告が行われ、供物が天皇と皇后に渡されます。天皇と皇后が供物を受け入れると、侍従長はその旨を使者に伝えます。

祝賀の儀

納采の儀が無事に終わると、祝賀の宴が開催されます。この宴では、参加者たちが納采を祝福し、喜びを分かち合います。

供物の内容

供物としては、雌雄の鯛と一荷（瓶6本）の酒、さらに緞子が贈られます。令和の時代においてもこの伝統は受け継がれており、緞子は結婚式の際に着る衣装に仕立てられます。男子皇族の場合、皇太子妃には5巻、親王妃には3巻、女子皇族の場合は相手側から2巻が贈られます。

供物の酒は、宮内庁が取り扱う酒蔵から直送される清酒であり、鯛は日本近海で捕れた大きなマダイの雌雄一対です。これらの供物は、特定の形に整えられ、儀式に華を添えます。

また、鮮鯛料として事前に代料が贈られることもあります。過去には、典子女王と結婚した千家国麿が鮮鯛料とともに、出雲大社の御神酒を贈った事例もあります。

結論

納采の儀は、日本の皇室における結婚の重要な儀式であり、その歴史や実施方法、祝賀の行事は長い伝統に根ざしています。現代においてもその意義は変わることなく、皇族や関係者にとって特別な意味を持った儀式とされています。

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