純宗 (朝鮮)

純宗 (じゅんそう) - 最後の大韓帝国皇帝

純宗（じゅんそう、朝鮮語: 순종）は、1874年3月25日に生まれ、1926年4月25日に逝去した大韓帝国の第2代皇帝であり、最後の皇帝として歴史に名を刻みました。彼は李氏朝鮮から数えて27代目の君主でもあります。その治世は1907年から1910年の間にわたり、朝鮮が日本の支配下にある中で名目上の皇帝として存在しました。

系譜と背景

純宗は、朝鮮国王高宗の長男で、明成皇后閔氏を母に持ちます。正式な妻は純明孝皇后閔氏、後妻として純貞孝皇后尹氏を持っていますが、彼には子供がいなかったため、後を継ぐ皇太子は異母弟の英王李垠が任命されました。

皇太子時代

純宗は、同治14年（1875年）に清の承認を受けて王世子に任命されました。その後、光武元年（1897）には皇太子に昇格し、光武2年（1898）には毒茶事件に見舞われ、重病に陥りました。この事件は彼の健康に長期的影響を及ぼし、一生を通じて様々な健康問題に苦しむ結果となりました。特に、胃腸系の疾患を抱えることになり、知的障害の兆候があったとも言われています。

皇帝としての治世

光武11年（1907年）に即位したものの、実際には日本の支配下にあり、彼の権限はほとんどない状態でした。即位後の7月から国政への日本の干渉が強まる中、韓国軍は解散され、義兵運動が活発化しました。この時期に日本側は韓国併合条約を進めていくことになります。最終的に隆熙4年（1910年）に日韓併合が実現し、大韓帝国は消滅しました。

王としての生活

併合後、純宗は李王として京城府の昌徳宮に住みました。精神的には非常に神経質であり、日常生活に厳密なルーチンがありました。午後は趣味のビリヤードを楽しみ、料理ではフランス料理を好みました。健康が回復し、以前より活動的な生活を送っていました。

死と国葬

1926年に52歳で亡くなった際、朝鮮総督府はその死を日本政府に遅れて報告しました。国葬は朝鮮の伝統に沿った形で行われましたが、全てが完璧に整えられたわけではなく、一部は日本側の意向も含まれていました。葬儀の際には、純宗を象徴するような名称の議論が行われ、最終的に「皇帝」の名が含まれる旗が用意されました。国葬行列には多くの見物人が集まり、一部の過激派による騒動も見られましたが、李太王高宗の国葬ほどの規模には達しませんでした。

影響と文化

純宗の生涯は、韓国の歴史において重要な転換期であり、その後の朝鮮半島の運命にも大きな影響を及ぼしました。彼に関するフィクションや映画も数多く制作され、その存在は今尚語り継がれています。純宗の物語は、ただの皇帝ではなく、時代の象徴として未来の世代に受け継がれるでしょう。

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