紙魚の手帖

『紙魚の手帖』は、東京創元社が発行する文芸雑誌であり、その歴史は1980年代に遡ります。当初は、読者からの便りや新刊情報を掲載するチラシの一コーナーとして登場しました。1981年7・8月から1983年2・3月の間、新刊案内に掲載され、1983年5月からはチラシ自体の誌名となり、1988年5月までに全41号が発行されました。

その後、2021年10月12日に文芸雑誌として創刊されました。初版発行日は10月15日です。これは、2021年2月まで刊行されていたミステリー専門誌『ミステリーズ！』の後継誌という位置づけです。しかし、『紙魚の手帖』はミステリーだけでなく、SF、ファンタジー、ホラー、一般文芸など、幅広いジャンルの作品を掲載する総合文芸誌として展開されています。

雑誌の発売日は偶数月の12日頃で、書籍扱いとなっています。これは、読者が定期的に手に取りやすいようにとの配慮がなされていると考えられます。

また、『紙魚の手帖』は、東京創元社が主催する文学賞の選評や受賞作の掲載も行っています。具体的には、鮎川哲也賞の選評、創元SF短編賞、創元ミステリ短編賞の選評・受賞作が掲載されています。さらに、2021年の第21回からは、本格ミステリ大賞の選評も掲載されるようになりました。これらの掲載は、文芸ファンにとって非常に価値の高い情報源となっています。

このように『紙魚の手帖』は、過去の歴史を受け継ぎながらも、新しい総合文芸誌として、多くの読者に幅広いジャンルの文学作品を提供しています。

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