素晴らしいフォークの世界

佐良直美『素晴らしいフォークの世界』：フォークソング黄金期の歌声

1971年8月5日に発売された佐良直美のアルバム『素晴らしいフォークの世界』は、日本のフォークソング全盛期を彩った名曲の数々を収録したカバーアルバムです。2005年3月9日、ビクターエンタテインメントから初CD化され、『〈COLEZO!〉ビクター流行歌 名盤・貴重盤コレクション』の一環として再発売されました。このCD化は、1994年のミニベストアルバム以来、10年ぶりとなる佐良直美個人名義のアルバムリリースとなりました。

収録楽曲：時代を彩った名曲の数々

本アルバムは、1970年代前半に一世を風靡したフォークソング、そして佐良直美自身のオリジナル楽曲で構成されています。LPレコードのA面を飾るトップ3曲（M-1～M-3）は、1971年上半期にオリコンのベストテン入りを果たした人気曲です。

特に注目すべきは、7月5日にシングルとして発売された「生きてるって素晴らしい」です。この曲は、アルバムの中でも聴きどころの一つと言えるでしょう。また、佐良直美自身が作詞作曲を手掛けた「ララバイ オブ パピオン」も収録されており、彼女のソングライターとしての才能も垣間見ることができます。

その他の収録楽曲も、時代を代表するフォークソングの定番曲から、隠れた名曲まで幅広く網羅されています。収録されている楽曲は、以下のように多様なアーティストによる名曲が揃っています。

知床旅情: 森繁久弥作詞作曲
花嫁: 北山修作詞、加藤和彦作曲
あの素晴しい愛をもう一度: 北山修作詞、加藤和彦作曲
誰もいない海: 山口洋子作詞、内藤法美作曲
希望: 藤田敏雄作詞、いずみたく作曲
長崎の白いレースの女の子: 栗原玲児作詞、大塚善章作曲
一人ぼっちさん はやまらないで: 笠田博作詞作曲
故里の匂い: 小椋茂作詞、永田清嗣作曲
小さな村の小さな出来事: 山川敬介作詞、渋谷毅作曲編曲
鏡と俺とあいつとそして…: 横澤秀雄作詞、吉崎憲次作曲

これらの楽曲は、それぞれの作曲家・作詞家の個性を反映した、時代を超えて愛される名曲ばかりです。佐良直美の透き通るような歌声によって、これらの楽曲は新たな魅力を放ち、聴く者の心を深く揺さぶります。

アルバムの構成とジャケット

レコードジャケットは、犬を抱いた佐良直美の写真を使用。親しみやすく、温かい印象を与えています。CD盤には歌詞ブックレットが付属しており、全曲の歌詞に加え、「ビクター流行歌 名盤・貴重盤コレクション」の紹介文と同時発売作品一覧も掲載されています。

このアルバムは、フォークソング全盛期の時代背景や、それぞれの楽曲に込められた想いを深く理解することで、より一層楽しむことができるでしょう。佐良直美の美しい歌声と、時代を超えて愛される名曲の数々が織りなす、珠玉のフォークソング・アルバムです。

まとめ

『素晴らしいフォークの世界』は、佐良直美の美しい歌声と、選曲の素晴らしさ、そして時代背景を反映した名盤と言えるでしょう。フォークソングファンはもちろん、日本の音楽史に興味のある方にも、ぜひ聴いていただきたい一枚です。CD化によって、改めてその魅力を再認識できる機会となりました。当時を知る世代には懐かしさ、若い世代には新鮮な感動を与えてくれることでしょう。

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