素浪人罷り通る

素浪人罷り通る

『素浪人罷り通る』は1981年から1983年にかけてフジテレビ系列で放送された単発時代劇シリーズであり、三船敏郎が主演を務めました。このシリーズは全6作（番外編を含む）で構成されており、三船がこれまで演じてきた素浪人の集大成ともいえる作品です。特に、黒澤明監督の映画『用心棒』やTVシリーズ『荒野の素浪人』の影響を受けたこの作品は、三船の代表作の一つとして位置づけられています。

概要

ストーリーは、剣豪が諸国を旅しながら、さまざまな困難に遭遇し、それに巻き込まれた人々を助けていく姿を描いています。三船が演じる素浪人は、相手に名前を尋ねられるとその場の思いつきで「春夏秋冬」などの偽名を使い、独特のキャラクターとして魅力を放っています。

キャラクターについて

素浪人のキャラクターは非常に個性的であり、懐手で肩を揺らしながら歩く姿が特徴的です。彼の本名は「大西勘兵衛」であり、最終作では「烏田閑兵衛」と名乗ります。髪型も独特で、シリーズ中ではザンバラ髪が印象的です。また、彼の家紋は三船の実家と同じ「丸に木瓜」であり、年代を通して同じデザインが使用されています。使用している刀は同田貫で、流派は特に設定されていません。

あらすじ

『素浪人罷り通る 血煙りの宿』

物語は、素浪人が旅をしている最中に、幼い息子を抱えた女性と出会うところから始まります。村に到着すると、野盗による襲撃に直面し、村人たちはその女性を非難します。その後の再会では、春夏秋冬は彼女とその息子を救い出し、彼女の逃避行を思いとどまらせます。3年後、春夏秋冬は再び彼女と出会い、宿泊先に身を寄せることになりますが、野盗たちが襲撃してくる危険が迫ります。

お銀（女性の名前）は、かつて夫であった野盗の一員に裏切られた過去を持ち、彼女の過去が物語に影響を与えます。夫を助けようとする彼女ですが、野盗に追われる身となり、春夏秋冬と共に村を守る決意を固めます。村人たちもまた、再度襲撃に備えて準備に取り掛かります。

『素浪人罷り通る 去るも地獄残るも地獄』

次の話では、春夏秋冬が少年と出会いますが、その少年の父親が浪人に斬られてしまいます。春夏秋冬は少年を叔母の家に送り届けた後、酒場でのトラブルに巻き込まれます。彼は浪人たちの策略に関わりながらも、名主の悪事を知り、村人たちとの結束を試みるが、困難が続出します。

キャストとスタッフ

三船敏郎が主役の素浪人春夏秋冬を演じ、多様なスタッフが本作の完成に携わっています。企画、脚本、監督など多岐にわたり、佐藤勝による音楽が物語を引き立てています。

最後に

『素浪人罷り通る』は、三船敏郎の演技や独特なキャラクターを通じて、観る者に時代劇の魅力を伝えている作品です。素浪人が繰り広げる冒険は、ただの戦いだけでなく、人間模様や倫理的な選択をも考えさせる奥深い物語を持っています。

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