細川周平

細川周平

細川周平（ほそかわ しゅうへい、1955年2月14日 - ）は、日本の音楽学者です。国際日本文化研究センター名誉教授、京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所長を務めています。専門は音楽学で、ポピュラー[[音楽]]の記号論的研究から日系ブラジル移民の研究まで、幅広い分野で学術的な業績を上げています。

経歴

1955年、大阪府に生まれました。1973年3月、神奈川県立湘南高等学校を卒業後、東京大学理学部生物学科に進学し、1978年3月に卒業しました。その後、音楽への関心から東京芸術大学大学院音楽研究科博士後期課程に進み、1988年3月に単位取得満期退学しました。同年の4月には東京芸術大学音楽学部の助手となり、1991年3月まで務めました。1989年3月には、東京芸術大学に学位論文『音楽における複製技術の諸問題 : レコードを中心に』を提出し、学術博士の学位を取得しました。

1996年4月、東京工業大学工学部の助教授に就任し、同年5月からは東京工業大学大学院社会理工学研究科の助教授も兼任しました。2004年4月には国際日本文化研究センターの助教授となり、2006年4月に教授に昇進しました。2020年4月、国際日本文化研究センターを退職し、名誉教授となりました。2022年には京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターの所長に就任しました。

受賞・栄典

2009年、『遠きにありてつくるもの』で読売文学賞を受賞しました。また、2021年には『近代日本の音楽百年』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しています。これらの受賞は、細川氏の研究業績が広く社会的に認められたことを示しています。

研究内容・業績

大学院在学中から、『音楽の記号論』や『ウォークマンの修辞学』などの著書を刊行し、ポピュラー[[音楽]]の記号論的考察を通じて「ニュー・アカデミズム」の代表的な人物の一人として注目されていました。その後、1990年代からは研究の対象を日系ブラジル移民の研究へと移行しました。この研究では、音楽を通じて日系ブラジル移民の歴史や文化、アイデンティティを探求しています。

ラジオ出演

KBS京都ラジオで「レコ室からこんばんは」というラジオ番組を担当しています。過去には、シンガーソングライターのEPOのファンクラブに入会していたという一面も持っています。

家族

妹がいることが知られています。

著書

細川周平は、数多くの著書を執筆しており、その研究成果を広く社会に発信しています。主な著書には、以下のようなものがあります。

『音楽の記号論』 (1981年)
『ウォークマンの修辞学』(1981年)
『トランス・イタリア・エクスプレス』(1985年)
『サッカー狂い 時間・球体・ゴール』(1989年)
『ノスタルジー大通り ほがらかな旅の技術』(1989年)
『レコードの美学』(1990年)
『サンバの国に演歌は流れる 音楽にみる日系ブラジル移民史』(1995年)
『シネマ屋、ブラジルを行く 日系移民の郷愁とアイデンティティ』(1999年)
『遠きにありてつくるもの－日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』(2008年)
『日系ブラジル移民文学Ⅰ－日本語の長い旅〈歴史〉』(2012年)
『日系ブラジル移民文学Ⅱ－日本語の長い旅〈評論〉』(2013年)
『近代日本の音楽百年　黒船から終戦まで』(2020年)

また、共著や編著、翻訳も多数あります。

その他の活動

細川氏は、研究活動のほかにも、学会での発表や講演など、幅広い分野で活動しています。その知見は、音楽学の分野だけでなく、社会学や文化人類学などの分野にも影響を与えています。

細川周平の研究は、音楽と文化、社会の関係を深く理解するための重要な手がかりを提供しており、その学術的な貢献は高く評価されています。

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