細貝大次郎

細貝大次郎は、1917年10月18日に茨城県で生まれました。彼は経済学者、農学者、そして官僚として、日本の農業政策の分野で重要な役割を果たしました。特に、拓殖大学での長年の教育活動と研究活動は、多くの学生や研究者に影響を与えました。

細貝は1938年に宇都宮高等農林学校農政経済科を卒業後、農商務省に入省しました。その後、大東亜省広東日本総領事館に勤務するなど、多岐にわたる経験を積みました。第二次世界大戦終結後は、財団法人農政調査会で研究員として活動し、日本の農政の課題に取り組んでいました。

1954年、細貝は拓殖短期大学貿易科の講師となり、農村調査論を担当しました。その後、1958年には拓殖大学政経学部助教授として、日本経済史や協同組合論を教えるようになりました。1964年には同大学の教授に昇進し、1967年には拓殖大学評議員に就任するなど、大学運営にも深く関わりました。

1979年には政経学部長、1987年には副学長を務め、1988年には拓殖大学の理事に選任されました。1989年に拓殖大学を定年退職した後も、北海道拓殖短期大学の学長、拓殖大学の客員教授として後進の指導にあたりました。1991年には北海道拓殖短期大学の学長を退任し、拓殖大学名誉教授の称号を授与されました。その後、八千代国際大学政治経済学部の客員教授として教鞭を執り、1997年に退職しました。

細貝は、1985年に拓殖大学から経済学博士の学位を取得しました。学位論文の題目は「現代日本農地政策史研究」であり、彼の専門分野である農業政策研究における重要な業績の一つです。彼はまた、拓殖大学研究所長や同図書館長も務め、大学の発展に大きく貢献しました。

さらに、横浜国立大学、東京農工大学、東京農業大学などの大学で非常勤講師として教鞭を執り、幅広い分野で教育活動を行いました。

細貝の主な著書には、『近代日本経済史概説』（1977年）、『現代日本農地政策史研究』（1977年）、『農業論・農業政策講義』（1986年）があります。これらの著書は、彼の研究成果をまとめたものであり、日本の農業政策や経済史を研究する上で重要な文献となっています。

細貝大次郎は、日本の農業政策の発展に大きく貢献した人物であり、その研究と教育活動は、今日の農業政策の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。

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