細野雄一

細野雄一（ほその ゆういち、1969年6月9日 - ）は、東京都府中市生まれの日本の元プロボクサーです。

小柄ながらも粘り強いファイトスタイルを持ち味とし、現役時代は角海老宝石ボクシングジムに所属していました。プロボクサーとして、日本のリングだけでなく海外でも拳を交え、世界王座にも挑戦しました。特に、国内においては二つの異なる階級で日本タイトルを獲得するという、卓越した実績を残しています。

プロキャリアの始まりと初期の挑戦

小松原高等学校を卒業してからおよそ9ヶ月を経た1988年12月1日、細野はプロボクサーとしての第一歩を踏み出しました。

プロキャリアを積む中で、早くからその実力が評価され、主要タイトルの戦線に浮上します。1991年5月18日には、当時日本ストロー級王者だったロッキー・リン（台湾）に挑戦しましたが、この一戦は判定の末に敗れ、王座獲得は叶いませんでした。

国内タイトル挑戦に続いて、1992年2月22日には、韓国・ソウルで開催されたWBA世界ストロー級タイトルマッチに挑みました。チャンピオンは崔煕庸（韓国）で、細野は世界の壁に阻まれ、10回TKOで敗退。惜しくも世界王座には手が届きませんでした。

日本王座獲得と2階級制覇

世界挑戦の経験を糧に、細野は再び日本のタイトルを目指します。1992年10月11日、後楽園ホールで行われた日本ストロー級王座決定戦で、玉城信一と対戦。この試合を判定で制し、第8代日本ストロー級王者の座に就きました。念願の日本タイトルを獲得した後、一度の防衛に成功しましたが、1993年4月にこのタイトルを返上しました。

ストロー級のタイトルを返上後、階級を上げてジュニアフライ級へと進出。再び世界王座への挑戦機会を得ます。1993年7月25日には、韓国・慶州で行われたWBA世界ジュニアフライ級タイトルマッチで、当時の強豪チャンピオン、柳明佑（韓国）に挑みました。しかし、この試合は0-3という大差の判定負けとなり、2階級目の世界タイトル獲得もなりませんでした。

それでも細野の挑戦は続きます。1994年3月21日、チャンピオン・カーニバルにおいて、日本ジュニアフライ級王者である牧山雅秀に挑戦。このタイトルマッチを判定で勝利し、第21代日本ジュニアフライ級王者となりました。これにより、細野は日本ボクシング史上における2階級制覇という輝かしい功績を達成しました。

キャリア終盤と事実上の3階級制覇

ジュニアフライ級のタイトルを獲得した細野は、1994年6月4日にはダイナミックグローブのリングで八尋史朗とノンタイトルながら12ラウンドの試合を行い、判定勝ちを収めました。

1994年8月17日には、日本ジュニアフライ級王座を返上。その後、1994年9月18日に代々木第二体育館で行われた日本フライ級王者・岡田明広とのノンタイトル10回戦に出場し、ここでも判定勝ちを収めました。これは正規のタイトルマッチではなかったものの、当時のフライ級王者から勝利を収めたことで、事実上の日本3階級制覇とも称される実績となりました。

最後の世界挑戦と引退

キャリアの最後を飾るべく、細野は再び世界最高峰のリングに挑みます。1995年11月12日、タイのラーチャブリー県営競技場という敵地で、WBCおよびIBF世界ジュニアフライ級統一王者であるサマン・ソーチャトロン（タイ）に挑戦しました。この試合は4回TKOで敗れ、世界王座獲得は叶いませんでした。

このサマン・ソーチャトロン戦は、細野にとってプロボクサーとしての最終試合となりました。特に、この挑戦がJBC（日本ボクシングコミッション）が長らくIBFに非加盟であった期間における、JBCライセンスを持つボクサーによる唯一のIBF王座への挑戦であったことは、日本ボクシング史においても特筆すべき出来事です。

この試合後、細野雄一は惜しまれつつ現役を引退しました。

獲得した主なタイトル:

• - 第8代日本ストロー級王座（防衛1度）
• - 第21代日本ジュニアフライ級王座（防衛0度）

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