紳士同盟†

『紳士同盟†』：帝国学園の華麗なる恋物語

種村有菜氏による人気少女漫画『紳士同盟†（しんしどうめいクロス）』は、2004年から2008年にかけて『りぼん』誌上で連載された学園ラブコメディです。全47話、単行本全11巻という、作者の代表作『神風怪盗ジャンヌ』に次ぐ長さの作品で、ドラマCD化もされています。帝国学園という資産家の子息・娘たちが通う名門校を舞台に、個性豊かな生徒会メンバーと、元ヤンキーの主人公・乙宮灰音の恋愛模様を中心に物語が展開します。

複雑に絡み合う恋愛模様と隠された真実

主人公の灰音は、学園の生徒が金・銀・銅の3ランクで分けられる中で、最下位の銅ランクに属しています。しかし、彼女は高等部生徒会長で学園の頂点に君臨する東宮閑雅（通称：皇帝）に恋心を抱いています。ある出来事をきっかけに生徒会入りを果たした灰音は、皇帝の用心棒兼庶務担当となり、やがて皇帝の偽恋人として特別なランクであるプラチナに昇格します。

灰音は閑雅に惹かれていきますが、学園に通う閑雅は、実は閑雅の双子の兄・東宮高成が病気療養中の閑雅の代わりに影武者として通っていたことが明らかになります。この事実を知るのは東宮家の人物と灰音のみです。さらに、灰音が幼少期に愛読した絵本『忘れられない魔女の歌』の作者は高成であり、灰音がヤンキーをやめるきっかけを作ったのは閑雅でした。物語は、灰音が閑雅と高成、二人の兄弟への想いを抱えながら進んでいきます。

個性豊かな登場人物たち

本作の魅力の一つは、個性的な登場人物たちです。全員の苗字が「宮」で統一されているという設定も特徴的です（作者いわく、人物が多いため）。

主要登場人物：

乙宮灰音（プラチナ）： 元ヤンキーで運動神経抜群。単純で優しい性格だが、少し抜けている面も。高成と結婚します。
東宮高成（金）： 閑雅の双子の兄で影武者。無口で無表情だが、実は灰音に惹かれていきます。灰音と結婚します。
東宮閑雅（金）： 高成の双子の弟で本物の生徒会長。白血病を患っており、普段は療養しています。灰音を深く愛しています。

生徒会メンバー：

天宮潮（銀）： 灰音の親友で書記担当。要点しか話さないクールな性格。成宮千里と結ばれます。
まおら（一ノ宮由貴）（銀）： 企画・会計担当。容姿端麗で頭脳明晰な男性。正体は秘密にしていましたが、後に明らかになります。辻宮真栗と結ばれます。
辻宮真栗（銀）： 副会長。ゲイで高成に恋心を抱いています。後にまおらと結ばれます。

他にも、東宮家の使用人や学園関係者など、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。それぞれのキャラクターの過去や人間関係が複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。

帝国学園とランク制度

帝国学園は、金・銀・銅の3つのランクで生徒が分けられる独特のシステムを採用しています。金ランクは皇帝（生徒会長）のみ、銀ランクは多額の寄付者、銅ランクは一般生徒です。さらに、皇帝の恋人には特別なランク「プラチナ」が与えられます。このランク制度は物語の重要な要素となっています。

併録作品と書籍情報

単行本の8巻と11巻には、それぞれ読み切り作品『少女イブ☆林檎じかけの24時』と『海の地球儀・夜想曲』が収録されています。また、脇役をメインにした番外編やイラスト集も発売されています。

作品の魅力

『紳士同盟†』は、恋愛要素だけでなく、友情や家族愛、そしてそれぞれのキャラクターの成長も描かれた作品です。個性豊かなキャラクター、複雑な人間関係、そして魅力的な学園生活は多くの読者を魅了し、今もなお人気を誇っています。 ドラマCDやゲームとのコラボレーションなど、様々な展開も魅力の一つと言えるでしょう。

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