紺屋町 (高松市)

紺屋町（こんやまち）

香川県高松市中心部に位置する紺屋町は、郵便番号760-0027を持つ町丁です。市の中心駅からもほど近く、高松市役所からも約0.2kmという都心に位置しています。住居表示に関する法律に基づく街区表示は、この地域では実施されていません。

地理

紺屋町は、その地理的な境界が明確に定められています。西側は県庁前通りと中央通りに接し、南側は美術館通りおよび市道三番町築地線によって区切られています。北側は磨屋町の裏手、東側は丸亀町の裏手に位置しています。町の中心部を南北に貫く主要幹線道路である中央通りによって、町域は東西に分断されています。この中央通り沿いおよびその周辺には、四国地方における主要企業のオフィスビルが集積しており、域内有数の中心業務地区（CBD）を形成しています。また、町の東部に位置する美術館通り沿いには、高松市の主要な文化施設である高松市美術館が立地しています。

統計データと都市計画

2015年の国勢調査によると、紺屋町の人口は48人（男性18人、女性30人）、世帯数は24世帯です。面積は約2万5千平方メートル（25,270.278m²）であり、これに基づいた人口密度は約4801.9人/km²となります。町域全体が公立小学校・中学校の校区としては、新番丁小学校および紫雲中学校に属しています。

都市計画法の観点からは、紺屋町の全域が商業地域に指定されています。容積率については、中央通りを挟んだ東西の街区が最大600%と定められており、中央通りより東側の地域は500%、西側の地域は400%となっています。

歴史

紺屋町の歴史は古く、その大部分は江戸時代から昭和33年（1958年）まで「南紺屋町」と呼ばれていました。町名の由来は、江戸時代の高松城下における職業別集住制に基づき、染色を業とする職人たちがこの地に集まって住んでいたことに始まります。町名が確認できる最も古い記録としては、寛永17年（1640年頃）に作成された高松城下絵図に「こうや町」として記載されています。

江戸時代には、この町には文化人も居住していました。例えば、点者として知られる山崎柏舟はここに住み、天明元年（1781年頃）には俳書「通俗志」を出版し、後に改訂版「俳諧通俗志季節早合点」も刊行しています。また、幕末から明治維新期にかけては、画家の安原枝澄（三江）が在住し、絵画だけでなく俳句や狂歌にも秀でていました。彼は「讃岐国名勝図会」に盆踊りの絵を描き、石清尾八幡宮の御渡の図を残すなど、地域文化に貢献しました。書画骨董舗を営み、碑文や墓文、広告から売薬まで手掛けた山崎挿雲堂もこの町にあったとされています。

明治23年（1890年）2月15日、従来の城下町の各町を統合して高松市が市制を施行した際、南紺屋町はその区域の一部となりました。しかし、昭和20年（1945年）7月4日未明、アメリカ軍による高松空襲によって、町内は焼失率100%という壊滅的な被害を受け、全てが灰燼に帰しました。空襲により中心部が甚大な被害を受けた高松市では、戦災復興のための土地区画整理事業が広範囲にわたり実施され、南紺屋町も全域が第一工区第一次区域としてその対象となりました。この区画整理事業が完了し、換地処分の公告が行われたのは昭和33年（1958年）7月10日です。その翌日、同年7月11日の地番整理をもって町域が大きく変更されました。旧南紺屋町の大部分が新たな「紺屋町」となり、一部は現在の三番町や丸亀町に編入されました。同時に、一番丁、外磨屋町、南鍛冶屋町、三番丁、丸亀町のそれぞれの一部が紺屋町に編入されています。さらに、昭和43年（1968年）には、隣接する町で住居表示が導入されたのに伴い、紺屋町の一部（中央通り以西および市道二番町築地線以南）が番町一丁目から四丁目に編入され、現在の町域がほぼ確定しました。

主要施設

紺屋町には、以下のような主要な施設が立地しています。

• - 損保ジャパン日本興亜高松ビル
• - 高松フコク生命ビル
• - ホシザキ四国本社
• - 平田歯科
• - 鹿島紺屋町ビル
• - 高松紺屋町クリニック
• - アルファパークナード高松ザ・タワー
• - 三井住友信託銀行高松支店
• - 高松大同生命ビル
• - 高松市美術館

これらの施設は、この町が現代においてオフィス街としての機能と文化施設を持つ多様な地域であることを示しています。

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