組曲 (Suite)

中島みゆきの41枚目のオリジナルアルバム『組曲 (Suite)』は、2015年11月11日にヤマハミュージックコミュニケーションズからリリースされました。前作『問題集』から約1年ぶりのアルバムであり、1980年の『生きていてもいいですか』以来、実に35年ぶりにシングル曲、セルフカバー曲、夜会で発表済みの曲を含まない、完全オリジナルアルバムとして発表されました。

アルバムのジャケットおよびブックレットの写真は、深夜の中部国際空港を特別に借り切って撮影されました。その芸術性の高さから、ミュージック・ジャケット大賞2016の候補50作品にも選ばれています。

また、本作は2015年12月9日に、25枚目のアルバム『わたしの子供になりなさい』以来、約17年ぶりにLP盤としてもリリースされました。LP盤は、マスタリング・エンジニアであるスティーヴン・マーカッセンが手掛けたハイレゾマスター音源を基に、JVCのカッティングエンジニア、小鐵徹によってカッティングが行われました。

収録曲は以下の通りです。

1. 36時間 - 36 Hours
2. 愛と云わないラヴレター - A Love Letter without The Word "Love"
3. ライカM4 - Leica M4
4. 氷中花 - Flower in Ice
5. 霙の音 - The Sound of Sleet
6. 空がある限り - As Long As There's A Sky (BSジャパン「日経プラス10」エンディングテーマ)
7. もう一度雨が - Rain Again
8. Why & No
9. 休石 - Resting Stone
10. LADY JANE

全曲の作詞・作曲は中島みゆき自身が手掛け、編曲は瀬尾一三が担当しています（「36時間」「氷中花」「霙の音」は瀬尾一三と小林信吾の共同編曲）。

収録曲の中でも特に「LADY JANE」は、東京・下北沢にある同名のジャズバー「LADY JANE」をモチーフにした楽曲として知られています。この曲では、下北沢の街の変遷が歌われていますが、奇しくも、モデルとなったジャズバー「LADY JANE」は、2025年4月に賃貸契約満了のため閉店することが決定しています。

『組曲 (Suite)』は、中島みゆきの円熟味を増した表現力と、瀬尾一三による情感豊かなアレンジが融合した、聴きごたえのある作品です。収録曲それぞれが独立した物語を持ちながらも、全体として一つの組曲のように構成されており、中島みゆきの奥深い世界観を堪能できます。

アルバムに参加した演奏者は、ボーカルはもちろん中島みゆき自身です。彼女の歌声が、各楽曲のテーマをより深く、より鮮やかに描き出しています。

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