経塚作太郎

経塚作太郎（きょうづか さくたろう）は、1925年12月31日に生まれ、2013年2月19日に逝去した、日本の著名な法学者です。中央大学の名誉教授として、国際法の分野で多大な貢献をしました。特に条約法研究における第一人者として知られています。

新潟県出身の経塚氏は、1945年に中央大学予科を修了し、1948年3月には同大学法学部英法科を卒業しました。その後、同大学院（旧制）を中退し、1948年9月には中央大学日本比較法研究所の助手となりました。1953年6月には中央大学法学部の助教授に、1962年9月には教授に昇進しました。その間、1966年には米国のエール大学で客員教授を務め、国際的な視野を広げました。

教育者としての経塚氏は、1972年11月には中央大学通信教育学部長、1974年4月には学生部長を歴任し、大学運営にも深く関わりました。1977年には「条約法の研究」で法学博士号を取得しています。1996年に中央大学を定年退職し、名誉教授となりましたが、その後も名城大学法学部教授として教鞭を執り、1998年に退職しました。また、日本学術会議会員も務めるなど、学術界への貢献も多岐にわたりました。

経塚氏の学問的な背景には、学外指導教授であった大平善梧氏からの薫陶があります。この指導が、その後の研究活動に大きな影響を与えたと考えられます。

経塚氏は、多数の著書を通じて国際法の普及に努めました。『国際関係論講義』（1967年）、『国際法講義』（1967年）、そして博士論文となった『条約法の研究』（1967年）をはじめ、『国際連合二十年の活動 一九四五年から一九六五年』（1968年）、『現代国際法要論』（1973年）、『続・条約法の研究』（1977年）、『図解国際公法』（1977年）などがあります。また、『国際法講義』や『答練国際公法』といった共編著も発表しました。これらの著作は、国際法を学ぶ学生や研究者にとって重要な文献となっています。

経塚氏の業績を記念して、『現代国際関係の法的諸問題 経塚作太郎先生還暦記念』（1986年）という論文集も編纂されています。この論文集は、氏の学術的な影響力を示すものです。

長年にわたる教育・研究活動が評価され、2006年11月には瑞宝中綬章を受章しました。これは、経塚氏の国際法研究と教育への貢献が社会的に認められた証と言えるでしょう。

経塚作太郎は、その生涯を通じて国際法の発展に尽力し、多くの後進を育てた、日本を代表する法学者の一人です。その学術的遺産は、今日においても国際法研究の基盤となっています。

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