経済協力局 (アメリカ合衆国)

経済協力局（ECA）

経済協力局（Economic Cooperation Administration、略称ECA）は、第二次世界大戦後のアメリカ合衆国において、特に欧州の復興を目的とする対外援助を担当した機関です。1948年4月に創設され、1951年末に相互安全保障庁に統合されるまでの間、重要な役割を果たしました。ECAは国務省および商務省に従属しながら、16の西欧諸国への援助を実施しました。

設立の背景

ECAの成立は、1947年6月5日に行われたジョージ・マーシャル国務長官の演説が起点となりました。この演説では、戦後の欧州への復興援助に対するアメリカの意向が示され、その後のマーシャル・プランへとつながりました。1947年12月19日、ハリー・トルーマン大統領が特別教書を議会に提出し、ECAの設立を提案しました。これに基づき、1948年4月3日に「1948年対外援助法」が成立し、ECAが設置されました。

組織構成

ECAは大統領直属の機関として設置され、議会内に監視委員会が設けられました。設立当初の長官にはポール・ホフマンが任命され、特に彼は欧州復興会議において重要な役割を果たしていました。ECAはワシントンに本部を置き、参加各国の復興計画に関して審査や最終決定を行いました。また、各国に駐在する使節団を通じて、実際に援助が効果的に運用されるよう支援しました。

見返り資金制度

ECAが提供する援助に対して、被援助国は「見返り資金」と呼ばれる自国通貨を積み立てる義務がありました。この積立金は、アメリカからの援助と同額が求められ、財政改善や生産促進のために使用されました。見返り資金の大部分はアメリカの承認が必要でしたが、少額はECAの必要経費に充てられました。

廃止とその後

1950年6月の朝鮮戦争の勃発は、アメリカの対外援助政策に大きな影響を及ぼしました。ECAはその後、より軍事的な側面を持つ相互安全保障庁へと統合され、1951年12月には正式に廃止されました。この統合により、アメリカの対外援助は新たな枠組みの下で行われることとなりました。

年表

• - 1947年6月5日 - マーシャル、ハーヴァード大学で演説。
• - 1948年4月3日 - 1948年対外援助法成立。
• - 1948年4月6日 - ECA設置、ホフマンが長官に就任。
• - 1951年12月29日 - ECA廃止、相互安全保障庁が設置される。

ECAの設立と運営を通じて、アメリカは西欧諸国との関係を強化し、戦後の経済復興に大きな影響を与えました。これにより、西欧諸国は経済的な安定と繁栄を実現する重要な基盤を得ることができました。

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