経済産業省登録システムインテグレータ

経済産業省登録システムインテグレータとは

経済産業省登録システムインテグレータとは、経済産業省が「情報処理サービス企業等台帳」に登録した企業のことです。この制度は、情報システムの企画から構築、運用までを包括的に提供する「システムインテグレーションサービス」を提供する企業の能力を、経済産業省が審査し、一定水準を満たす企業を登録・公開することで、情報システムへの投資を行う顧客の利便性向上と、業界の健全な発展を目的としています。

制度の概要

システムインテグレーションは、ソフトウェアの技術的な知識はもちろん、ハードウェアやネットワーク、さらには業務内容まで幅広い知識が求められます。また、プロジェクトマネジメントやリスクマネジメントといった管理能力、システム開発後の保守まで含めた長期的な取引を遂行できる安定した経営状況も必要です。

しかし、これらの能力を企業が満たしているか、発注者側が判断することは容易ではありません。特に情報通信業とは異なる業界の顧客にとっては、システムインテグレーションは馴染みが薄く、企業選定は困難を極めます。そこで経済産業省は、一定の基準を満たすシステムインテグレータを登録・公開することで、発注者の企業選定をサポートし、業界全体の健全な発展を促進しています。

なお、システムインテグレーションだけでなく、システムオペレーションに関する分野についても、経済産業省が「経済産業省認定特定システムオペレーション企業」を認定する制度が存在します。

制度の運用

経済産業省の地方支分部局である経済産業局が、管轄地域ごとの「情報処理サービス企業等台帳」を管理しています。登録を希望する企業は、所在地の経済産業局に申請を行い、審査に合格すると台帳に登録され、その情報は一般公開されます。各経済産業局の所在地は以下の通りです。

北海道経済産業局（北海道札幌市）
東北経済産業局（宮城県仙台市）
関東経済産業局（埼玉県さいたま市）
中部経済産業局（愛知県名古屋市）
近畿経済産業局（大阪府大阪市）
中国経済産業局（広島県広島市）
四国経済産業局（香川県高松市）
九州経済産業局（福岡県福岡市）

沖縄県については、経済産業局の管轄外であるため、内閣府の地方支分部局である沖縄総合事務局が同様の業務を行っています。そのため、沖縄県内の事業者は、沖縄総合事務局が管理する「情報サービス企業台帳」に登録されます。

登録の有効期間は2年間であり、更新には再審査が必要です。また、登録後に重大な変更が生じた場合は、経済産業局等への届出が義務付けられています。登録要件を満たさなくなった場合、登録を取り消されることもあります。

制度の沿革

この制度は、2001年1月5日以前は、通商産業省の地方支分部局である通商産業局が所管していました。2001年1月6日の中央省庁再編に伴い、経済産業省が発足し、事業を継承しました。

現在、経済産業省では「経済産業省登録システムインテグレータ」の新規登録を停止しています。したがって、現在登録されている企業は、新規登録停止以前から活動していた企業です。

関連法規

「経済産業省登録システムインテグレータ」に関連する主な法体系は以下の通りです。

情報処理の促進に関する法律
情報処理サービス企業等台帳に関する規則

まとめ

経済産業省登録システムインテグレータは、情報システムの構築を依頼する企業にとって、信頼できるパートナーを選ぶための重要な指標です。登録企業は、一定の技術力や経営基盤を持っていることが証明されています。

しかし、新規登録が停止されている現状から、今後は別の枠組みでの企業選定が求められる可能性があります。

参考情報

SI登録・SO認定 - 経済産業省
SI・SO制度 | 情報政策 | 施策のご案内 - 関東経済産業局

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