経済調査庁

経済調査庁の概要

経済調査庁は1948年の設立から1952年の廃止まで、重要な役割を果たした日本の行政機関です。この機関は、経済調査庁法（昭和23年8月1日法律第206号）に基づいて創設され、内閣総理大臣の指導の下、経済の安定を図るために多様な施策を実施しました。

設立背景と役割

経済調査庁は昭和23年に設立され、その設立目的は国民経済の調和ある復興を促進することでした。具体的には、物資の生産、配給、消費、さらには物価を調整する経済統制を行うことにありました。初代長官は、芦田内閣時代の栗栖赳夫が就任し、彼はまた経済安定本部の総務長官及び物価庁長官も兼任していました。

この機関の構成は、中央経済調査庁、管区経済調査庁、地方経済調査庁から成り立っており、それぞれが内閣総理大臣の監督の下で業務を行っていました。中央経済調査庁は、その名の通り中央で経済の総合的な監視と調査を行う機関であり、国内各地に8つの管区経済調査庁が配置されていました。さらに都道府県ごとに地方経済調査庁が設置されて、地域経済の調査や情報収集を行いました。

組織構成

経済調査庁の組織は三段階に分かれていました。最上部が中央経済調査庁で、以下に管区経済調査庁、地方経済調査庁がありました。それぞれの機関には長官がいて、また各種の部局が設置されていました。中央経済調査庁には官房や監査部、査察部、物資調査部などがあり、各庁はそれぞれ役割を分担し協力しながら経済調査を行いました。

毎月のように変化する経済環境の中で、各庁は綿密な調査と報告を行い、政府に対して政策提言をすることが求められました。地方経済調査庁は地域経済のデータを収集・分析し、中央の方針と整合性を持たせる役割を果たしました。

廃止とその後

経済調査庁は1952年8月1日、行政管理庁に統合される形で廃止されました。この統合は、経済運営の効率化を目的としたものでしたが、経済調査庁が果たしていた役割は、後の行政機関に引き継がれました。特に、経済安定本部や物価庁、経済審議庁などがそれに該当しました。

関連機関

経済調査庁が廃止された後も、経済調査の重要性は変わらず、関連機関が新たに設立されました。これには経済企画庁や内閣府特命担当大臣（経済財政政策担当）があり、中央経済調査庁長官の役割が類似した形で再構成されています。このように、経済調査庁の歴史は日本の経済政策の進展において重要な位置を占めており、その存在は今もなお影響を及ぼし続けています。

経済調査庁の設立から廃止に至るまでの経緯と、その影響は、現在の経済政策にも多くの示唆を提供しています。

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