結城司郎次

結城司郎次

結城司郎次（ゆうき しろじ、1901年3月7日 - 1968年11月20日）は、日本の外交官です。東京帝国大学法学部政治科を卒業後、外務省に入省し、アメリカ局第一課長、通商局第三課長などを歴任しました。

生涯

福島県奥川村の農家に生まれ、高等試験外交科試験に合格後、東京帝国大学を卒業しました。その後、イギリスやドイツに赴任し、国際連盟の日本代表随員も務めました。満州国、ポーランドでの勤務を経て、外務省アメリカ局第一課長に就任。その後、通商局第三課長となり、日米交渉のために渡米した来栖三郎特命全権大使の随行員としてワシントンで事務作業にあたりました。

第二次世界大戦中、イギリスの諜報機関であるBSC（British Security Coordination）によって、日本側の情報を漏洩していた疑いが指摘されました。BSCは、盗聴器を仕掛けた部屋に結城を誘い出し、そこで得た情報をアメリカ大統領に報告していたとされています。この件は、BSCの元職員であるモンゴメリー・ハイドの著書『The Quiet Canadian: The Secret Service Story of Sir William Stephenson』でも触れられています。

東京裁判では、真珠湾攻撃の対米最後通告遅延問題について証言しました。結城は、日本大使館が交渉妥結を期待し、通告遅延が即時開戦につながるとは予想していなかったと述べました。また、東京からの訓令が不親切だったとも指摘しています。

戦後は、終戦連絡九州事務局長などを経て、スウェーデン公使、セイロン大使、トルコ大使などを歴任しました。1961年には日本大学拓植学科の講師に就任し、翻訳書も発表しています。また、1966年まで外務委員会の専門員を務めました。

親族

妻の鶴は、東京日本橋本町の文具商「市川商店」の四女で、東京女学館出身です。妻の父である市川喜七は、肥料商や鉛筆販売会社を経営する資産家でした。娘は女優の結城美栄子、息子は結城弘隆です。孫には、モデルの結城アンナ（岩城滉一の妻）がいます。

結城弘隆は、結城司郎次のスウェーデン駐在後も現地に残り、スウェーデン人女性と結婚しましたが後に離婚。アンナは、父親が祖父（結城司郎次）に結婚を反対されたため、経済的な支援を受けられず、母親の実家に一家で身を寄せていたと語っています。

関連作品

映画『トラ・トラ・トラ!』では、近藤準が結城役を演じました。

脚注

結城司郎次の人物像は、外交官としてのキャリアと、情報漏洩疑惑という二つの側面を持つ複雑な人物です。

外部リンク

東南アジアにおける仏教と外交について - 結城司郎次、全仏通信、1960年11月25日
* スウェーデン航空業務に関する協定 - 結城司郎次

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