統一の像

統一の像とは

統一の像（とういつのぞう、英: Statue of Unity）は、インドのグジャラート州ナルマダー県に位置する、国の父とされる政治家ヴァッラブバーイー・パテールを模った彫像です。この像は、完成当時、世界で最も高い像として知られ、その高さは182メートルに達します。これは自由の女神像の台座を含めた高さの約2倍にも相当します。

建設の背景

この建設プロジェクトは、2010年に発表され、恒久的な記念物を計画するために「統一の像運動」が発足しました。この運動では、インドの農家が古くなった農具を寄付し、その鉄材を利用して像の製作を支援しました。最終的には約5,000トンの鉄が集められましたが、当初の計画とは異なり、他の用途に使われることとなりました。

また、2013年には「Run For Unity」というマラソンが開催され、この像の建設への支援を目的としました。

デザインと構造

統一の像は、インド独立運動の重要な指導者でもあったヴァッラブバーイー・パテールを象っており、彼が国の統一のために果たした役割を称えています。像の全高は240メートルであり、その設計はインドの彫刻家ラーム・V・スタールが手がけています。

政府はこのプロジェクトに多くの資金を投入し、グジャラート州政府が主要なスポンサーとなりました。2012-2015年度の予算から60億インド・ルピーが割り当てられ、建設のための費用を全体で206億3000万インド・ルピーと見積もっています。ライセンシング契約や建設業者の選定は厳格に行われ、その結果、ラーセン＆トゥブロ社が契約を獲得し、建設工事が始まりました。

建設の進行

建設工事は約56か月にわたって行われ、2014年10月に着工し、2018年10月に完了しました。この彫像には多種多様な材料が使用され、その中には210,000立方メートルのセメントコンクリートや6,500トンの鉄骨、そして1700トンの銅板が含まれています。銅パネルの製造は当初国内では行われず、中国で製造されました。

内部には展望ギャラリーが設置され、訪問者はエレベーターを利用して、153メートル上のギャラリーに上がることができます。この像はインドの建設技術の高さを示す象徴とされており、国民の誇りとなっています。

社会的反応と問題点

さらに、このプロジェクトの実施に伴い、周辺地域の土地収用が行われ、地元のTadvi族などの部族からの反発を招きました。プロジェクトに対する批判も存在し、資金流用や国民の他の必要な資源への影響が懸念されています。特に、ヒンドゥー教とイスラム教の間にある緊張関係がジオジェクトの評価にも影響を与えています。

精鋭な設計と建設技術の集大成である統一の像は、ヴァッラブバーイー・パテールの功績を称えるだけでなく、インドの複雑な社会的背景や歴史的文脈とも絡み合った重要なランドマークとなっています。

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