統一左翼 (スペイン)

[スペイン]]の左翼政党連合：統一[[左翼]の軌跡

統一左翼（Izquierda Unida、略称IU）は、スペインにおける主要な左翼政党連合です。スペイン共産党（PCE）を中核とし、社会労働党（PSOE）以外の左派勢力が集結して1986年4月に結成されました。本記事では、IUの設立から現在までの歴史、組織構造、主要な選挙結果、そして構成政党について詳細に解説します。

結成と初期の活動

IUの結成は、1985年のNATO残留に関する国民投票における反対運動が大きな契機となりました。PCE、PSOE内の反主流派、経済学者ラモン・タマメス率いる進歩同盟（FR）、共和主義左翼（IR）といった多様な左派勢力が、NATO残留反対を旗印に結束しました。結成直後の1986年に行われた下院選挙では、7議席を獲得する成果を収めました。

1980年代後半、ゴンサーレス政権（PSOE）の経済社会政策への反対運動の高まりを受け、IUへの支持が拡大しました。1988年12月に行われたゼネストは、その象徴的な出来事と言えるでしょう。1989年2月にはIU創設大会が開催され、「政治的・社会運動」と位置づけられました。初代コーディネーターにはPCE書記長のフリオ・アンギータが選出されました。同年10月に行われた下院選挙では得票率9％、17議席を獲得し、勢力を拡大しました。

躍進と低迷

1990年代には、いくつかの選挙で議席数を伸ばすなど、一定の成功を収めました。しかし、2000年代に入ると、党勢は低迷。2008年の下院選挙では、議席数を過去最低の2議席にまで減らしました。この低迷を受け、ガスパル・リャマサレス代表は辞任し、カヨ・ララが新代表に選出されました。

転機となったのは、2011年の総選挙です。「ラ・イスキエルダ・プルラル（La Izquierda Plural）」という選挙連合を結成し、共和主義左翼、アラゴン主義連合、カタルーニャ緑のためのイニシアティブなどの政党と協力しました。この選挙で、IUは8議席を獲得し、大幅な躍進を遂げました。この躍進は、PSOEへの失望と左翼への期待の高まりを背景に、国民党に対抗する勢力としてIUに投票が集まった結果だと分析されています。

2012年のアンダルシア州議会選挙でも、IUは12議席を獲得し、選挙前の2倍の議席数を獲得しました。これは、左翼への期待の高まりを示す結果となりました。

組織構造と地方組織

IUは、地方組織と全国組織から構成されています。全国組織は、3年ごとの連合大会で選出された地方組織の執行部によって構成される連合政治評議会と連合執行代表部、そして連合常設委員会によって運営されています。最高責任者はCoordinador Generalです。

IUは、18の地方組織を有しており、それぞれ独自の名称と組織を持っています。アンダルシア州、アラゴン州、カナリアス諸島州など、スペイン全土にわたって地方組織が展開されています。カタルーニャ州やバスク州などでは、地方の政党と協力して活動しています。

構成党派と歴史

IUを構成する党派は、時代とともに変遷しています。2014年現在、スペイン共産党（PCE）、スペイン共産主義青年同盟（UJCE）、イスキエルダ・アビエルタ（IzAb）、共和主義左翼（IR）などが主要な構成党派となっています。

過去には、進歩同盟、カルロス主義党、人道主義党、スペイン人民共産党（PCPE）、社会主義行動党（PASOC）、革命的労働党（PRT）などもIUに参加していましたが、その後離脱しています。これらの党派の離脱は、IUのイデオロギーや戦略をめぐる内部対立を反映していると言えるでしょう。

選挙結果

IUは、下院選挙、欧州議会議員選挙など、様々な選挙に参加してきました。選挙結果はその時々で変動していますが、全体として見ると、1990年代後半から2000年代前半にかけて党勢は低迷し、2010年代に入ってからは再び勢力を伸ばしつつあります。しかし、いまだに第一党となるには至っていません。

まとめ

統一[左翼]は、スペインの政治史において重要な役割を果たしてきた左翼政党連合です。その歴史は、複雑な政治的、社会的な状況を反映しており、今後もスペインの政治において重要な存在であり続けるでしょう。今後のIUの動向は、スペインの政治情勢を左右する重要な要素となり得るでしょう。

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