絵の島

絵の島（えのしま）

広島県江田島市沖美町に位置する絵の島は、瀬戸内海に浮かぶ無人島です。瀬戸内海汽船が所有しており、一般には開放されていません。そのため、許可なく上陸することはできません。近隣の厳島（宮島）からも遠望できる場所にあります。

概要

絵の島の面積は0.21平方キロメートル、最高点の海抜は35メートルです。島の地形はコの字型をした湾を有しているのが特徴です。かつては小那沙美島（こなさみじま）と呼ばれていました。

島には安芸絵ノ島灯台が設置されています。この灯台は1904年（明治37年）に初点灯しましたが、後に博物館明治村に移築され、「明治村小那沙美島燈台」として登録有形文化財となっています。

歴史

第二次世界大戦後、1955年（昭和30年）までは、岩国基地に駐留していたアメリカ軍向けの専用海水浴場として利用されていました。その後、日本人に開放され、海水浴場として親しまれるようになります。

1982年（昭和57年）には、当時人気を博したテレビ番組『Dr.スランプ アラレちゃん』に登場するゲンゴロウ島に見立てた大規模なイベントが開催されました。このイベントには、1日に4000人しか入れない島に、期間中10万人もの人々が訪れ、大きな賑わいを見せました。

その後も船でしか訪れることができない海水浴場として開放されていましたが、1990年（平成2年）を最後に閉鎖されました。

現在の絵の島は、静かな無人島として、その自然を守り続けています。かつての賑わいを偲ばせる歴史を持ちながらも、ひっそりと佇む姿は、訪れる人に特別な感慨を与えるかもしれません。

もう一度検索