絵画モデル

絵画モデルは、画家やイラストレーターなど、絵を描く人のためにポーズをとる人の総称です。美術モデルの一種として、芸術作品の制作に不可欠な存在です。

絵画モデルの仕事

絵画モデルの主な仕事は、描き手の指示に従って一定時間ポーズを保持することです。描かれる絵の種類は、クロッキー、デッサン、水彩画、油彩画など多岐にわたります。しかし、モデル自身は、自分がポーズをとることでどのような絵が描かれているかを見ることはできません。描かれている絵は、モデルの視点からは基本的に見えないのです。

勤務時間と休憩

近年、日本における絵画モデルの基本的な勤務時間は、1単位＝（20分ポーズ＋10分休憩）×6回とされています。これはおよそ3時間ですが、依頼主やアトリエの環境によって多少前後することがあります。モデルの負担を考慮し、適度な休憩を挟みながら仕事が行われます。

モデルの種類

現代日本では、絵画モデルの多くは裸婦モデル（ヌードモデル）が中心です。しかし、着衣モデルも存在し、こちらは衣服を着用してポーズをとります。着衣モデルは、民族衣装、バレリーナの衣装、フラメンコの衣装などの舞踊衣装、職業服、ドレス、その他の特殊な衣装や平服など、さまざまな服装でモデルを務めます。特に民族衣装やバレエ、ダンス衣装の場合は、モデル自身が自前の衣装を用意することも多いです。

報酬について

絵画モデルの報酬は、勤務地、勤務内容（ヌードか着衣か、着衣の場合はどんな衣装を着用か）などによって異なります。美術モデル全体としての一般的な相場がありますが、プロのモデルが所属する事務所では、各々の事務所規定に基づいて報酬が支払われます。報酬は、モデルの経験やスキル、ポーズの難易度、拘束時間などによって変動します。

他のモデルとの違い

絵画モデルは、芸術的創作活動に協力するモデルです。商業主義的な芸能関係のモデルやファッション関係のモデルとは、その目的や仕事内容、雰囲気などが大きく異なります。絵画モデルは、芸術作品の一部となることを目的とするため、ポーズや表現も、モデル自身の個性を活かしながら、芸術家の意図に沿うように努めます。仕事場の雰囲気も、ファッションモデルや芸能モデルとは異なり、静かで集中力を要する環境であることが多いです。

参考文献

絵画モデルに関する理解を深める上で、以下の文献が参考になります。

『美術モデルのころ』著者：長島はちまき（basilico）
『ある美術モデルの肖像』著者：小林範子（大陸書房）
Lipton, Eunice (1992). Alias Olympia: A Woman's Search for Manet's Notorious Model and Her Own Desires. Cornell University Press. ISBN 978-0-8014-8609-8

関連する分野・人物

絵画モデルの仕事は、以下の分野や人物とも関連があります。

コンテンポラリー・ダンス
バレエ
新体操
美術モデル
ヌードモデル
アリス・プラン （モンパルナスのキキ）
前衛芸術
水彩

外部リンク

さらに詳しい情報については、以下のサイトも参照してください。

美術モデル研究室

絵画モデルは、芸術作品を支える重要な役割を担っており、その存在は美術史においても不可欠です。

もう一度検索