絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-

概要

『絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-』は、2006年に発売されたPlayStation 2用のアクションアドベンチャーゲームです。元々はアイレムソフトウェアエンジニアリングによって開発され、続編として『絶体絶命都市』から5年後の2010年を舞台にしています。前作と異なり、今回は集中豪雨による浸水からの脱出がテーマとなっており、洗練されたゲームシステムが特徴です。

発売情報

本作は2006年3月30日に発売され、2008年には『アイレムコレクション』として廉価版が登場。また、2015年2月にはPlayStation 3のPS2ゲームアーカイブス版としても配信されました。北米では『Raw Danger』という名称で知られています。

物語の背景

富坂市は、地下都市開発計画の「ジオフロンティア計画」によって発展し、2010年にはその第一期工事が完了します。しかし、同年12月に異常気象が襲来し、記録的大雨により羽代川が決壊。水害によって地下都市は危機に瀕し、さまざまな人物がその中で生き残りをかけて戦います。

ゲームシステム

本作の特筆すべき点は、複数の主人公を操作するオムニバス形式のストーリーです。プレイヤーは、各主人公の視点から異なるシナリオを体験します。それぞれのキャラクターには特有のスキルが持たされ、選択肢や行動によってストーリーが大きく変わるマルチエンディングが採用されています。

特に、主人公同士の干渉効果が重要な要素となっており、ある主人公の行動が後のシナリオに影響を与えることがあります。これによりストーリーは非常に動的で、同じシナリオでもプレイヤーの選択によって異なる結末を迎えることができます。

各シナリオの主人公

篠原 一弥

彼は大学のウェイターとして働いている22歳の青年。水害の中、仲間を助け出すことを選択し、脱出劇が始まります。

佐伯 優子

大学生の彼女は、無実の罪で捕えられた後、水害の混乱の中で自身の無実を証明しようと奮闘します。彼女は常に手錠をつけられた状態で行動しており、制約の中でのサバイバルが描かれています。

柘植 明

タクシー運転手として働く彼は、災害の最中に様々な人物と出会いながら移動します。タクシーの利点を生かしたシナリオが展開され。

西崎 佳奈

高校生の彼女は、学校内でのいじめに苦しみながらも自身の逃げ道を見つけようとします。彼女のシナリオは学校内でのドラマが中心です。

速水 祐司

記憶を失った青年で、かつての自分を取り戻す過程で様々な人々との関わりを持ちます。彼のシナリオはミステリー要素が強く、プレイヤーは記憶の断片を集めていきます。

須藤 真幸

前作の主人公であり、報道記者として真実を掴むために行動する彼は、市内の崩壊を背景に立ち向かう冒険を繰り広げます。

グラフィックとゲームプレイ

ゲームのグラフィックは前作に比べて進化しており、災害前の街並みや崩壊の様子なども描写されています。また、複数の選択肢が用意されており、プレイヤーはその都度それに応じた行動を選ぶことが求められます。

結末とその後

全体を通して、選択によって変わるエンディングやキャラクターの運命が本作の魅力です。プレイヤーはそれぞれの主人公の物語をクリアすることで、最終的に富坂市の運命や主人公たちの行く末を見届けます。特にキャラクター同士の結びつきや選択が持つ意味が、物語を深くしています。最終的な脱出の形は問い詰められ、それぞれの選択によって違う結果を迎え、プレイヤーに深く考えさせるシナリオが魅力です。

このように『絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-』は、単に脱出を目指すスリルだけでなく、人間関係や選択がもたらす影響を探る深い物語で構成されています。プレイヤーは、その中で多くの感情とドラマを体験し、忘れられないゲーム体験を得ることができるでしょう。

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