絶滅危愚少女 Amazing Twins

絶滅危愚少女 Amazing Twins：能力と運命の物語

『絶滅危愚少女 Amazing Twins』は、2014年から発売された日本のOVA作品です。アニメーション監督の佐藤順一氏が、過去に企画が中止となったメディアミックスコンテンツ『ウィッシュエンジェル』構想を元に、新たに生み出した作品と言われています。特に、佐藤氏の代表作である『カレイドスター』のファンを意識した企画意図も含まれており、作品タイトルにもその影響が見て取れます。

本作は全2巻のOVAとして発売され、その後テレビアニメシリーズへの展開も構想されていたようです。物語の中心は、特殊能力「ISH（Incomprehensible Skill of Human-being）」を持つ少女・等々力あまねとその双子の妹、リリアンです。あまねは、ISHによってイメージしたことを現実化する能力を持っています。しかし、この能力は彼女自身にとっても完全に理解できるものではなく、周囲からは理解されにくい存在となっています。

あまねのISH能力の源泉は、誕生直前に胎内から消失したはずの双子の妹・リリアンです。リリアンの精神はあまねの体内に宿っており、普段は分離して存在しています。リリアンは、あまねの持つテディベアに乗り移ることで、あまねのISH能力を一時的に無効化することができます。また、時折、クールな少女の姿で具現化することもあります。

あまねはパフォーマンス集団「NOUGHT」に所属し、ISH能力を駆使したマジックを披露することで、世間への理解を求めています。彼女を取り巻く人物たちも個性的です。「NOUGHT」の座長である不動奈々枝は、かつてISH能力を持っていましたが、現在は封印しています。ISHに頼らずマジシャンを目指している和希、おっとりとした性格ながら驚異的な怪力を持つひろな、そして様々な形であまねを支える人々が物語を彩ります。

一方、あまねのISH能力を狙う謎の男・ハスドウとその相棒であるアヤも登場します。アヤは人気パフォーマンス集団「I・A・M」に所属するマジシャンで、自身もISH能力の持ち主です。ハスドウは、あまねのISH能力の潜在能力の高さに注目し、彼女を付け狙います。また、物語には占い師のセンチメント高木、作家である千ノ倉積やその付き人である望月幽など、個性的なキャラクターが登場し、物語に深みを与えています。

OVAでは、あまねとリリアンの関係、ISH能力の謎、そしてハスドウの目的などが徐々に明らかになっていきます。さらに、あまねの幼少期からの憧れであるスーパーヒロイン、メサイヤレディとその相方であるキャプテンジャパンも登場し、物語に華を添えています。

スタッフ陣も豪華で、監督・原作・脚本・絵コンテを佐藤順一氏が担当し、構成・ストーリー協力に岡田麿里氏、キャラクター原案に原田たけひと氏など、実力派が集結しています。音楽はConischが担当し、主題歌は千菅春香が歌っています。

『絶滅危愚少女 Amazing Twins』は、独特の世界観と魅力的なキャラクター、そして能力と運命の物語が融合した、見応えのある作品です。OVAのみならず、テレビ先行放送やニコニコ生放送での配信、コミカライズ、ラジオ番組など、様々なメディアミックス展開も行われており、その人気ぶりが伺えます。

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