継立駅

継立駅（つぎたてえき）

北海道夕張郡栗山町継立にかつて存在した、夕張鉄道線の途中に位置していた駅が、継立駅（つぎたてえき）です。この駅は周辺に広がる農業地帯からの農産物を運び出す役割を担うとともに、夕張鉄道線の運行において列車の行き違いを行うための重要な拠点でもありました。夕張鉄道線の廃止に伴い、1975年（昭和50年）4月1日にその歴史に幕を閉じました。

歴史

継立駅の歴史は、1926年（大正15年）10月14日の開業から始まりました。開業翌年の1927年（昭和2年）には、近隣の炭鉱における坑内充填に用いられる火山灰土を採取・運搬するための専用鉄道、北炭専用鉄道が約1.1キロメートルの長さで接続されましたが、この専用鉄道による運行は1930年（昭和5年）に終了しています。

時代の変遷と共に路線の利用状況が変化する中、継立駅では1971年（昭和46年）11月15日をもって旅客営業が廃止され、駅としては貨物取り扱いなどが主体となりました。そして、夕張鉄道線自体の廃止決定に伴い、1975年（昭和50年）4月1日、駅は完全に廃止されました。

駅構造

駅の構造は、島式ホーム1面とそれに面する2本の線路を持つ地上駅でした。運行上重要な駅であったため、終日駅員が配置され、安全な運行と貨物・旅客対応が行われていました。駅の廃止後、その役割を終えた駅舎は解体されることなく、地元の企業によって事務所として再活用されており、かつての駅舎の姿を今に伝えています。

駅周辺

継立駅の周辺には、廃止から長い年月が経過した現在でも、駅舎が前述の通り企業事務所として使われているほか、周辺に点在する農業倉庫など、かつての駅の賑わいや役割を偲ばせる遺構がいくつか残されています。駅の近くには、栗山町役場の継立出張所や継立郵便局といった公共施設があります。また、北海道道3号札幌夕張線や北海道道749号鳩山継立停車場線といった主要な道路が通じており、交通の要衝でもありました。

公共交通機関としては、現在、北海道中央バスと栗山町営バスの「継立」停留所が利用可能です。特に北海道中央バスの停留所は、1980年代半ば頃までは「継立駅前」という名称で、鉄道駅との接続を明確に示していました。

かつては鉄道廃止後、その代替として夕張鉄道の後身である夕鉄バスによるバス路線も運行されていましたが、残念ながらこの路線も2023年10月をもって廃止されています。

隣の駅

夕張鉄道線の駅配置において、継立駅の隣には、夕張本町・新夕張方面に向かって新二岐駅が、野幌方面に向かって角田駅がそれぞれ位置していました。


この地から鉄道の汽笛が消えて久しいですが、残された駅舎や農業倉庫は、地域における鉄道の歴史と役割を静かに語り継いでいます。

もう一度検索