続・激突!/カージャック

『続・激突!/カージャック』

『続・激突!/カージャック』（ぞく げきとつ カージャック、原題: The Sugarland Express）は、1974年に公開されたアメリカの映画で、スティーヴン・スピルバーグの劇場デビュー作として注目を浴びました。本作の元となったのは、1969年に実際にテキサス州で起こった出来事です。

あらすじ

物語は、軽犯罪で収監されていたルー・ジーン・ポプリンの視点から始まります。彼女は出所後、同じく軽犯罪で囚われの身にある夫クロヴィスに面会します。ルー・ジーンは、福祉局に引き取られた自分の息子ラングストンを奪還するため、クロヴィスと共に脱走する計画を立てます。出所前の彼を説得するのは簡単ではありませんが、結局彼は渋々その計画に巻き込まれることになります。

脱走した二人は、囚人仲間のヒューバーの両親が所有する車でシュガーランドへ向かいます。しかし、途中で交通違反を起こし、パトカーに止められてしまいます。この場面で、ルー・ジーンは脱走が発覚したと勘違いし、衝動的にパトカーを奪って逃げます。彼女は自身の息子を取り戻すために必死で、パトカーに乗った警官スライドを人質にする勇気を振り絞ります。

その後、警察側は追跡を始めますが、ルー・ジーンの動機を理解したタナー警部は慎重に行動します。彼は目の前の二人に感情移入し、無闇に攻撃することにはためらいを見せます。スライドも次第に二人に共感し始め、一緒に行動を共にすることになります。

三人は一夜を中古車ショップで過ごしますが、近所の住民から見つかってしまい、タナーは助けに向かいます。しかし、ルー・ジーンたちは逃走を続けることを選び、タナーに対抗する形でシュガーランドを目指します。この逃走劇はメディアにも取り上げられ、住民たちが二人を支援する様子が描写されます。

最終的に二人は息子の里親の家に到達しますが、ルー・ジーンは感情的になり、指示に従わずに突入します。その結果、クロヴィスが撃たれ重傷を負うことになります。この悲劇的な展開が彼らの逃走に終止符を打つことになります。

物語の終わりでは、ルー・ジーンが15か月の刑期を経て息子を取り戻し、タナーとスライドが警察官として職務を続けている様子が語られ、観客は重い余韻を残しながら映画を終えます。

実際の事件

本作は1969年5月にテキサス州で発生した実際の出来事に基づいています。実際のルー・ジーンにあたるアイラ・ファー・デントは、夫と共に交通警官を人質に取り、パトカーで逃走しました。彼らの逃走劇はメディアに取り上げられることとなり、最終的には待ち伏せしていたFBIに阻まれ、人質は無事助け出されるという結末を迎えました。

評価と影響

本作は、Rotten Tomatoesで91%の評価を受け、観客に強い印象を残しました。また、第27回カンヌ国際映画祭では脚本賞を受賞するなど、高い評価を得ています。現代の映画製作においても、その影響は多くの作品に見られます。

『続・激突!/カージャック』は、実話に基づく緊迫したストーリー展開と、スピルバーグならではの映像美が評価される映画作品として、今も語り継がれています。

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