維持員

維持員（いじいん）制度について

維持員とは、社団や財団などの法人において、財政的支援を目的とした会員制度の一形態です。この制度は、学会や研究機関をはじめ、様々な法人団体で導入されています。維持員はその団体に対し、定期的な寄付や支援を行うことで、活動の持続性を確保する役割を果たします。

名誉称号としての維持員

例えば、早稲田大学では、特に高額の寄付を行った個人に対して名誉称号を授与し、その功績を大学の歴史に刻むという制度を利活用しています。この維持員の称号は、同大学における最も高い位置づけの称号とされており、寄付者への感謝と敬意を表す重要な要素となっています。こうした名誉称号は、大学だけでなく、多くの団体が独自に設けており、寄付を行った個人や企業に対するインセンティブとなっています。

日本相撲協会の維持員制度

日本相撲協会における維持員制度は、協会のさまざまな事業を支援するための仕組みとして位置づけられています。この制度に加入することで、維持員は金銭的な支援を行うだけでなく、大相撲の本場所で行われる力士の技能審査を行う立会人としての役割も与えられます。具体的には、維持員は東京、名古屋、大阪、福岡の4つの地域ごとに設置されている維持員会に所属し、所定の寄付金を納める必要があります。2022年の情報によると、東京では405万円、その他の地域（名古屋、大阪、福岡）では112万5千円の寄付が求められています。

維持員は、寄付を行った証として「維持員証」を授与され、その後、維持員会に加入することが認められます。これにより、維持員は本場所期間中に通しの整理券を受け取り、特定の席、すなわち「維持員席」で観戦することができます。この席は、一般の観客が入ることのできない特別なエリアであり、優れた観戦体験を提供します。

観戦に関する注意事項

ただし、維持員が本場所で観戦する際には、特定のルールやマナーが求められます。特に、過去には暴力団関係者が維持員席に居たことが報道されたこともあり、現在では暴力団構成員やその関係者が維持員としての申し込みや観戦を行うことを厳しく禁じています。このような規制は、相撲界の健全性を保つための重要な取り組みとされています。

結論

維持員制度は、法人における寄付文化の重要な一部を担い、名誉称号や特別な観戦機会を通じて支援を行う個人に対して感謝の意を示す仕組みです。相撲協会の事例からもわかるように、維持員としての義務や責任を果たしながら、団体活動の発展に寄与することが期待されています。

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