網打ち

網打ち（あみうち）

網打ちとは、大相撲の決まり手の一つである捻り手です。相手力士の差し手を両手で抱え込み、自らの体を開きながら、その勢いを利用して相手を後方へねじり倒すという、豪快な技です。

語源と特徴

その名の由来は、漁師が投網を打つ際の動作に似ていることに由来すると言われています。力士が全身を使って相手を投げ飛ばす様が、網を大きく広げて魚を捕らえる姿を連想させるのでしょう。1916年に出版された書籍『実地活用相撲必勝術』では、この技を「トッタリ」と呼んでいた記述が残っています。

珍しい決まり手

大相撲の世界では、網打ちは比較的珍しい決まり手として知られています。力任せに見える技ですが、実際にはタイミングや体の軸、相手の体勢など、様々な要素が合致しなければ成功しません。そのため、高度な技術と判断力が要求される技と言えるでしょう。

過去の事例

しかし、決して見られない技というわけではありません。昭和の時代には、横綱千代の富士が1987年1月場所で巨砲に対し、この技を繰り出して勝利を収めています。平成に入ってからも、1991年11月場所で大関霧島が三杉里に網打ちで勝利しています。横綱朝青龍も現役時代に2度、網打ちを決めています（2004年3月場所、2006年7月場所）。

2010年以降の幕内における網打ちの記録は以下の通りです。

2010年1月場所3日目：横綱白鵬（対豊ノ島）
2014年7月場所2日目：横綱日馬富士（対勢）
2014年11月場所10日目：千代大龍（対蒼国来）
2018年11月場所6日目：安美錦（対大奄美）
2019年1月場所14日目：琴恵光（対輝）
2019年7月場所2日目：佐田の海（対輝）
2020年1月場所5日目：石浦（対佐田の海）
2020年7月場所7日目：照強（対北勝富士）
2024年5月場所2日目：錦木（対隆の勝）

近年でも、時折見られるように、記憶に残る一番があります。

関連項目

大相撲の決まり手一覧

外部リンク

* 網打ち - 決まり手八十二手 - 日本相撲協会公式ホームページ

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