網膜神経節細胞

網膜神経節細胞とは

それぞれの視覚刺激を脳に伝達する役割を持つ網膜神経節細胞（RGC）は、眼の網膜内側に位置する神経細胞です。この細胞は、視細胞からの情報を受け取るために中間ニューロン（双極細胞やアマクリン細胞）の働きを利用します。また、受け取った視覚情報は視床、視床下部、中脳などへ送られます。網膜神経節細胞は長い軸索を有しており、これが視神経、視交叉、視索となって脳の各所と情報をやり取りします。

機能

ヒトの網膜には約120万から150万の神経節細胞が存在しています。網膜の視細胞は約1億個あるため、各神経節細胞は平均で約100個の視細胞からの信号を受け取ります。ただし、これには個体差が存在し、特に網膜の位置によって変化します。例えば、中心窩（中心部分）では1つの視細胞が約5つの神経節細胞に情報を送信し、周辺部では1つの神経節細胞が数千の視細胞からの入力を受け取ることもあります。興味深いことに、神経節細胞は静止時であっても自発的な活動電位を発生させており、刺激に応じて発火頻度が変化します。

種類

網膜神経節細胞は、神経の投射パターンや受容野の特性に応じていくつかのタイプに分類されます。代表的なものとして以下の5種類があります。
1. Midget細胞（Parvocellular pathway, P系）: 樹状突起と細胞体が小さく、外側膝状体の小細胞層に投射します。この細胞は主に色に応答し、少数の視細胞からの入力を受けます。全神経節細胞の約80%を占めます。
2. Parasol細胞（Magnocellular pathway, M系）: 樹状突起と細胞体が大きく、外側膝状体の大細胞層に投射します。話を聞くと、彼らは比較的多くの視細胞からの入力を受け取り、低コントラストに対して敏感ですが色に対する反応は鈍いです。全神経節細胞の約20%を占めます。
3. Bistratified細胞（Koniocellular pathway, K系）: 外側膝状体の顆粒細胞層に投射します。この細胞は比較的最近に発見され、全神経節細胞の約10%を占めます。中程度の空間解像度を持ち、色覚に関連している可能性があります。
4. その他の神経節細胞: 目の運動に関与する細胞や、眼球運動に関わる動眼神経副核へ投射するものがあります。
5. 光感受性神経節細胞: 特有の視物質であるメラノプシンを持ち、主に青色光に反応します。これにより体内時計の調整や睡眠サイクルに影響を与えることが知られています。

まとめ

網膜神経節細胞は、視覚情報を脳に伝達し、さまざまな視覚機能を持つ重要な神経細胞です。これらの細胞は多様な種類があり、それぞれのタイプが異なる特徴や機能を示します。網膜の仕組みや神経細胞の働きについて理解を深めることは、視覚のメカニズムを知る鍵となります。

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