視床

視床の概要

視床（ししょう、英: thalamus）は、中脳の一部であり、脳内で感覚情報を処理する中心的な役割を果たしている重要な構造です。特に、嗅覚を除く視覚、聴覚、体性感覚などの情報を大[[脳新皮質]]へと届ける中継器としての機能を持ちます。視床はさまざまな神経核に分かれており、それぞれが異なる機能を担っています。

解剖学的区分

視床は広義には背側視床（dorsal thalamus）と腹側視床（ventral thalamus）に分けられ、一般的には「視床」と言う場合、背側視床を指します。狭義ではこの背側視床が視床とほぼ同義です。ただし、研究者により視床核群の分類法は異なるため、注意が必要です。着目すべき視床の核は約20種類以上存在し、それぞれ異なる感覚情報を処理しています。

外側の核群

外側の核には、体性感覚情報を処理するためのいくつかの重要な核があります。たとえば、後外側腹側核（VPL）や後内側腹側核（VPM）は、体性感覚情報を大[[脳皮質]]の体性感覚野へ中継します。また、運動に関与する外側腹側核（VL）や前腹側核（VA）は、大脳基底核や小脳からの情報を受けて、運動に関する処理を行います。

内側の核群

内側の核群には視床髄板内核群（IL）が含まれ、これは主に神経繊維の集まりです。中心核（CM）や正中中心核（CeM）は、視床から線条体へと投射を行う重要な領域であり、内側中心核は前頭葉に投射を行い、痛みの刺激の伝達にも関与していると考えられています。

視床網様核とその機能

視床網様核は、視床を覆うように存在していて、主にGABA作動性ニューロンから成り立っています。これらのニューロンは、視床の他のニューロンを抑制する役割を果たしており、視覚や聴覚の情報を調整する上でも重要です。

その他の核群

視床には、視床下部に隣接する腹側視床や、特定の機能を持つ特殊核や非特殊核も存在します。これらは、それぞれの神経核が果たす役割に応じて分けられており、特に運動や感覚情報の処理において重要な役割を果たしています。

まとめ

視床は脳の中でも特に重要な構造であり、感覚情報の中継だけでなく、運動の調整や認知機能とも深く関わっています。視床を理解することは、脳全体の機能を理解することにつながり、神経科学や臨床医学の分野において非常に重要です。

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