綾子舞

綾子舞（あやこまい）は、新潟県柏崎市女谷（おなだに）地区に伝わる貴重な民俗芸能です。その起源は室町時代に遡り、500年以上の歴史を持つと言われています。

綾子舞の由来

伝承によれば、越後国守護であった上杉房能が自刃した後（1507年）、その妻である綾子がこの地に逃れ、都の文化であった踊りを伝えたことが始まりとされています。綾子の名がこの踊りの名前の由来となっています。

芸能史的価値

綾子舞は、中世の風流踊（ふりゅうおどり）や初期の歌舞伎の様相を色濃く残していると考えられており、日本の芸能史においても非常に重要な位置を占めています。その貴重さから、1975年（昭和50年）には、文化財保護法の改正によって制定された重要無形民俗文化財の第1回目の指定を受けました。

綾子舞の構成

綾子舞は、女谷の黒姫神社の祭礼の際に奉納されます。以前は9月15日の敬老の日に行われていましたが、現在は9月の第2日曜日に開催されています。綾子舞は、以下の三つの要素で構成されています。

女性による踊り：優雅で洗練された女性の舞は、見る人々を魅了します。
男性による囃子舞：力強い男性の囃子舞は、踊りをさらに引き立てます。
狂言：ユーモラスな狂言は、観客を楽しませます。

これらの要素が組み合わさることで、綾子舞は独特の世界観を生み出しています。

綾子舞会館

1999年（平成11年）には、綾子舞会館が開館しました。この施設は、綾子舞の稽古場として利用されているほか、綾子舞の歴史に関する展示施設も備えています。綾子舞についてより深く知りたい方は、ぜひ一度訪れてみてください。

関連情報

伝統芸能：日本の伝統芸能の一つ。
桑山太市『綾子舞見聞記』戯魚堂、1941年：綾子舞に関する貴重な記録。
『重要無形民俗文化財指定20周年記念 出羽・本歌・入羽ー綾子舞、21世紀への伝承ー』柏崎市綾子舞後援会、1996年：綾子舞の保存と伝承に関する資料。
児玉絵里子「琉球舞踊と綾子舞ー芸態比較対照研究による古歌舞伎踊の系譜考、琉球舞踊と小歌踊系民俗芸能の民族芸術学的考察ー」『初期歌舞伎・琉球宮廷舞踊の系譜考ー三葉葵紋、枝垂れ桜、藤の花ー』錦正社、2022年、ISBN 9784764601468：綾子舞と琉球舞踊の比較研究。

外部リンク

綾子舞 - 国指定文化財等データベース（文化庁）:
文化庁のデータベースで綾子舞の情報が確認できます。
伝承500年綾子舞 - YouTube - 柏崎観光協会:
柏崎観光協会のYouTubeチャンネルで綾子舞の映像が視聴できます。
山に舞う - 綾子舞への誘い - YouTube - 柏崎市公式チャンネル:
柏崎市公式チャンネルで綾子舞の映像が視聴できます。

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