綾瀬車両基地

綾瀬車両基地：東京メトロの車両を支える大動脈

東京都足立区に位置する綾瀬車両基地は、東京メトロ千代田線の車両基地および車両工場として、重要な役割を担っています。広大な敷地内には、車両の検査・修繕を行う綾瀬検車区と、より大規模な修繕・改造を行う綾瀬工場が併設されています。

概要

綾瀬車両基地は、千代田線の北綾瀬駅から約2.5km北に位置し、その引き込み線は北綾瀬支線として旅客営業にも利用されています。敷地面積は約141,810平方メートルにも及び、広大なスペースを有しています。

建設にあたっては、軟弱な地盤と水害対策が大きな課題でした。そこで、千代田線建設工事で発生した残土を盛り土として活用し、地盤の安定化と水害対策を同時に実現しました。また、用地買収の際には、地権者との合意により北綾瀬駅が設置され、地域住民の利便性向上にも貢献しています。

綾瀬検車区

綾瀬検車区は、千代田線車両の日常的な検査・修繕を担当しています。かつては有楽町線の車両の検査も担当していましたが、和光検車区の開設に伴い、その役割は移管されました。しかし、現在でも有楽町線、副都心線、南北線の新車搬入や報道公開は、綾瀬検車区で行われています。

主な施設

月検査庫
気吹庫
列車検査庫
転削庫
車両洗浄台
留置線

車両留置能力は273両で、最終的には10両編成41本（410両）の収容を計画しています。

配置車両

5000系電車
6000系電車
16000系電車
05系電車

綾瀬工場

綾瀬工場は、千代田線、有楽町線、副都心線、南北線、埼玉高速鉄道の車両のより大規模な検査・修繕を担当しています。年間検修能力は1,500両にも及び、高度な技術と設備を備えています。

工場内は、流れ作業で検査作業を行えるよう合理的にレイアウトされており、効率的な検修作業を実現しています。また、機器職場と台車職場を配置し、それぞれの担当分野で専門的な検査・修繕を行っています。

検査担当車両

16000系電車
05系電車
17000系電車
10000系電車
9000系電車
埼玉高速鉄道2000系電車

代々木公園の留置線

綾瀬車両基地とは別に、千代田線の終点である代々木上原駅側にも、代々木公園駅に隣接して留置線があります。この留置線は、10両編成8本を留置可能で、主に始発電車の待機場所として利用されています。

代々木公園内に地下留置線を建設するにあたり、東京都の許可を得て、公園の造成工事と並行して建設工事が進められました。大規模な機械掘削により、全長約360m、幅41m、深さ15-18mにわたる地下空間が建設され、留置線が設けられました。

イベント

綾瀬車両基地では、定期的に一般公開イベントが開催されています。これらのイベントでは、普段は見ることができない車両基地の内部を見学したり、車両撮影会に参加したりすることができます。また、過去には保存車両の公開も行われ、鉄道ファンにとっては貴重な機会となっています。

綾瀬車両基地は、東京メトロの安全・安定輸送を支える重要な拠点です。日々の検査・修繕を通じて、安全な運行を支え続けています。

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