緊急参集チーム

緊急参集チームとは

緊急参集チームは、大規模な災害やテロといった国家的な危機が発生した際に、内閣危機管理監の号令によって関係省庁の幹部職員らが速やかに集結するチームのことです。このチームは、危機発生時における政府の初動対応を円滑に進めるために非常に重要な役割を担っています。

チームの構成と役割

緊急参集チームは、内閣危機管理監が中心となり、関係省庁の局長級の職員などが構成員となります。彼らは、総理大臣官邸内にある危機管理センターに参集し、以下の様な活動を行います。

情報収集: 各省庁から集められた情報を集約し、正確な状況把握に努めます。
情報整理: 集約した情報を分析し、総理大臣に報告するための資料を作成します。
初動措置の検討: 状況に応じて、政府として取るべき初動措置について協議します。

内閣危機管理監は、これらの活動を通じて収集・整理された情報を速やかに総理大臣に報告します。これにより、政府は迅速かつ的確な意思決定を行い、危機に対応するための体制を整えます。

対象となる緊急事態

緊急参集チームが対応する緊急事態は多岐にわたります。具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

武力攻撃事態（他国からの侵略など）
大規模自然災害（地震、津波、台風など）
原子力災害（原子力発電所の事故など）
ハイジャック
テロ行為
領海侵犯
海賊行為
不審船の出現
大量避難民の流入
新型インフルエンザなどの感染症のパンデミック
安全保障上の不測の事態（ミサイル発射など）

これらの事態が発生した場合、速やかに緊急参集チームが招集され、対応にあたります。

参集基準

特に、以下のような状況が発生した場合には、緊急参集チームが直ちに参集されます。

東京23区内で震度5強以上の地震が発生した場合
東京23区外で震度6弱以上の地震が発生した場合
大津波警報が発表された場合

これらの基準は、大規模な被害が発生する可能性が高い場合に、迅速な対応を可能にするためのものです。

具体的な事例

例えば、北朝鮮からミサイルが発射された場合、総理大臣官邸危機管理センターに設置された官邸対策室に、防衛省、外務省、警察庁、海上保安庁、国土交通省の担当者らが集められ、緊急参集チームが構成されます。彼らは、ミサイルの情報収集や分析、政府としての対応策検討などを行います。

関連情報

内閣安全保障室（内閣安全保障・危機管理室）：国の安全保障と危機管理に関する政策を立案・調整する組織です。
内閣官房副長官補（事態対処・危機管理担当）：内閣官房副長官を補佐し、危機管理に関する業務を統括します。

外部リンク

内閣官房副長官補（内閣官房サイト内）

緊急参集チームは、国民の安全と安心を守るために、24時間体制で危機に備えています。その迅速かつ的確な対応は、大規模な災害やテロなどの緊急事態において、被害を最小限に抑えるために不可欠なものです。

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